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小说:第二章『你或许是个不错的人』

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月下_Sama

第二章|『你或许是个不错的人』

前言
刚刚在香港捣毁人口贩卖集团、救出孩子们的特工新月,又接到了新的调查任务。然而目标小镇早已陷入火海,那里出现的竟是那个黑色KMF!!
一辆拖车行驶在土色风镜绵延不绝的荒野上。这是刚在香港捣毁人口贩卖集团、救出孩子们的特工新月二人——白马与觉的拖车。副驾驶座上的白马正浏览着先前在香港从双叶绫芽处获得的资料。
“自称民间军事公司的World Avar吗?明明没接到什么像样的委托,却在大肆收购武器。确实可疑啊,这下子……”
“比起那个!”
驾驶座的觉用力拍打方向盘。
“哪里都没有卖芒果汁的啊!”
“那当然,这种地方怎么可能有得卖”
眼前是一望无际的荒野。别说城镇了,连人影都好几个小时没见到。他们正为执行从“姬”处接获的,针对自称PMC的World Avar的调查任务,朝着他们作为据点的无名小镇驶去。当然,这里也不存在能满足觉渴望的芒果汁。
“明明说好要请我的……”
“好了好了,在机场请你喝”
“绝对要请我!这次绝对要请!”
“好好好……嗯?”
白马突然感知到前方异样。地平线尽头隐约腾起烟尘。
“觉,停车。有些不对劲”
白马催促驾驶中的觉停车,随即快速用电子双筒望远镜观察前方。放大影像中可见细微的爆燃火光。
“是爆炸,果然出事了。我驾驶新月出击,觉你移动到能观测小镇的位置支援。”
“明白。”
简短对话后,白马冲向货柜启动KMF新月。

此刻宗贺白马目标所在的World Avar据点小镇已陷入全面混乱。
“敌袭!开火!全员开火!”
“那家伙,是黑色骑士团的吗!?”
“不知道!总之先给我打!”
World Avar战斗人员操纵装甲车与坦克等所有重火力,对着悬浮空中的黑色KMF疯狂倾泻弹药。但那台KMF如鬼蝶般穿梭弹幕,双肩搭载的大型钩索将战车如同纸壳般撕裂。
“见鬼!”
“完全打不中啊!”
“面对KMF我们根本毫无胜算!”
在接连爆炸的火光中,World Avar的KMF部队终于杀入战场。
他们修复了在大战中使用的格拉斯哥[1]与钢髅[2]虽显陈旧,却是对抗空中黑色恶魔的唯一希望。
"久等了。你们退后,那台黑色的交给我们!"
World Avar的KMF部队齐射形成的弹幕瞬间笼罩黑色机体。
黑色KMF却迎着钢铁暴雨突入敌阵,精准穿梭于炮火间隙。
右臂固定型MVS-Arms2与左手苦无型MVS交错挥舞,将KMF如糖人般肢解。
“这...这到底是什么!?”
“怪物!”
黑色KMF挥动MVS劈向最后一台敌机时,宗贺白马驾驶KMF新月型突然切入战场。
“这个轮廓,是火炎型骨架[3]吗?但是,我从未见过这样的KMF”
白马用新月背部的新型热斩刀架住鞠炽天的MVS,刀刃相接迸发炽热火花。虽然试图将其推回却纹丝不动。
“好强的力量,完全推不动。如果是这样的话!”
白马突然偏转刀身,将鞠熾天的力量引导到身体外侧,打破了对方的平衡。趁着对方失衡,白马拉开距离,手臂复合武器的机炮轰鸣扫射,弹雨虽然击中了对方,但似乎没有造成任何损伤。
“火力太轻了吗?那试试这招”
通过将左右脚的陆行旋轮的旋转方向改成一前一后,并迅速加速,在原地旋转(超信地旋回)中挥动带有离心力的新型热斩刀,虽然擦伤了胸甲却被对方胸甲滑开。似乎这一击让黑色KMF认真起来,开始猛烈地攻击新月。看似杂乱的双臂挥舞,实则精准预判着白马每一刀的轨迹。
“这家伙,刚才根本没动真格啊……”
此时Fact Sphere有了反应,驾驶舱红光频闪。
“这是!”
新月瞬间屈膝转入防御姿态。同时激活双臂的卢米纳斯护盾和双肩的辐射屏障。
“唔!撑住啊新月!”
新月在黑色KMF的猛攻下苦苦支撑。其后方突然出现一对落单母子仓皇奔逃的身影。黑色KMF的传感器捕捉到这个画面,攻势戛然而止。
“什么?”
白马惊愕未消,鞠炽天似乎失去了兴趣似的飞走了。
“那家伙,到底怎么回事。”
“白马,你没事吧?”
“勉强还行,但是……”
觉的通讯接入驾驶舱。白马勉强回应,眼前却是遍地残骸的惨烈景象。虽未见人员伤亡,但World Avar的军事设施已遭彻底摧毁。
“何等惨状...仅凭一机就造成这般破坏力...”
“接下来怎么办?继续调查?”
“不必了,这种状况已经没什么意义了。”
“是啊。”
“当务之急是查明那台机体来历,我们先回日本向姬汇报。”

而在暗处,神秘的Lady·Lady全程监视着小镇的激战。看着黑色KMF飞走的方向,歪着头。
“嗯~果然还是搞不懂呢”

次日,在进行再开发的东京新宿的特工新月的事务所。在一楼车库深处,一位面容端正的青年正解析新月记录的黑色KMF的影像。这正是负责特工新月的机械师——多库·乔布斯。此刻他与身旁的白马同步露出困惑表情。
“嗯~完全没头绪。”
“连多库也不知道吗?”
“就像白马说的,这肯定是红莲系机体使用的火炎型骨架没错。而且外观上也有许多与红莲圣天八极式[4]相似的部分……”
“那是不是红莲圣天八极式的衍生机体呢?只是我们情报不足。”
觉一边吃着从人气快餐店买来的大量薯条,一边插话道。
“喂!觉!我不是说过不要把油炸食品带进实验室!”
“有什么关系嘛,明明连给KMF用的润滑油都到处乱放”
“那是两码事!”
“别吵架了。比起那个,觉说的衍生机体的可能性可以排除吧?”
“是啊”
“哎?为什么?”
“红莲圣天八极式是红月卡莲被不列颠尼亚军抓捕时,一同被缴获的红莲可翔式[5]”改造而来的机体”
“由那位无业的天才——罗伊德·阿斯普林德博士与塞西尔·柯尔米女士共同完成。也就是说,这是台没有设计图的孤品机体”
“而且说道红莲系,最新型的红莲特式[6]在3年前就已列装,并在哈什贝兹的困惑中投入实战过,现在制造红莲圣天八极式的衍生机毫无意义。”
“这样啊。要做衍生机的话,比起制造连设计图都没有的红莲圣天八极式,不如制造红莲特式的衍生机。”
“就是这么一回事”
“哦——”
觉一边感叹一边大口吃着薯条,空纸盒揉成团正要投进垃圾桶,却被多库瞪视。”
“那个垃圾,别扔在这儿”
“我知道啦,真是的。”
虽然掩饰自己原本准备丢掉的打算,还是不得不把手里的垃圾塞进了外套口袋里。
“咦?”
指尖突然触到香港行动中拾获的身份识别卡。
“说起来,这东西我还一直揣着,白马。”
“总之,先带着这些音像去跟姬汇报吧,其他事情之后再说”
觉正要搭话,白马已经拿着多库的解析设备,快步朝着车走去。
“诶!?这就去?”
“没听过兵贵神速吗?”
“等等我啊!”
不想被甩下的觉,慌忙把身份识别卡塞回口袋,紧跟着白马的脚步追了上去。

一辆卡车正从海湾地区沿高速公路驶向新宿。货厢里载着约十名全副武装的士兵。其中一人正凝视着平板电脑地图上闪烁的光点。

“黑色的红莲型?”
距离海边稍远的高地。在静谧的镰仓别墅区中矗立着一座洋馆。这座拥有简朴却宽阔庭院的宅邸,正是脱离政坛的皇神乐耶名下众多房产之一。神乐耶在庭院里的遮阳伞下桌子旁听完白马他们的报告后说道。
“是的,我们前往那个PMC时,那家伙抢先一步在那里大闹了一番。您知道些什么吗?”
站着的白马用眼神示意多库。接到示意的多库将平板递到神乐耶面前,屏幕上显示着甘冈解析完成的黑色KMF的影像。
“不,红莲圣天八极式的复原和制造并不在统合打击装甲骑计划[7]内。原型机应该还被保管在珍珠党[8]那里。”
“也就是说,超合集国和黑色骑士团都不知晓它的存在?”
“是的。黑色骑士团早已开发出作为旗舰机型的红莲特式。现在再复制圣天八极式实在……”
“果然是这样啊。那么,这家伙究竟是……啧!”
察觉树篱后传来细微驱动声的白羽瞬间抱起神乐耶,惊险躲过横冲而来的大型卡车
“哇啊!”
“什、什么情况!?”
在地上翻滚的多库和觉惊讶地看着。卡车撞翻庭院桌椅,在对面树篱前急刹停下。
“‘姬’大人!”
“‘姬’大人没事,接下来交给你们了。”
“明白!”
白马将神乐耶交给察觉异状冲出宅邸的护卫,纵身朝卡车跑去。扭断货舱士兵脖颈充作肉盾,迎战后续涌来的敌人。
“护卫带‘姬’大人去安全屋!”
“觉!驾驶舱还有伏兵!”
“啧!白马抽不开身,只能我上了!”
觉反手抽出束腰暗藏的配枪射击。但驾驶舱走下的身份不明士兵身着防护服,子弹未能击穿。反而被对方手中的突击步枪还击,觉和多库慌忙躲至倾倒的桌子后方。
“这种枪对付不了他们的装备……”
“现……现在怎么办?”
非战斗人员的道克蜷缩着长手长脚,他脸上显现出焦急的表情。
从驾驶座和副驾驶座下来两名士兵毫不在意的不停开火,逐渐向觉和多库躲藏的桌子靠近。
“觉!多库!”
白马试图回援却被货舱涌出的士兵缠住。
“只能拼了!”
觉正要冲出掩体的刹那,一个黑影如鸦羽般从天而降。一记非人般的回旋踢,将朝觉和多库冲来的两名士兵扫倒。那个黑影的真面目,是所有人都认识的英雄。
“Zero!”
没错,黑色骑士团的总帅——假面的英雄Zero。
降落在惊讶的觉和多库面前,瞪视着那些身份不明的士兵。

  ep02 END
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Pure你或许是个不错的人1.png Pure你或许是个不错的人2.png

土色の風景が延々と続く荒野を一台のトレーラーが走っている。香港で人身売買グループを摘発し、子どもたちを救ったばかりのエージェント新月のふたり、ハクバとサトリのトレーラーだ。助手席のハクバが、先の香港で双葉彩芽からもたらされた資料を眺めている。


「自称民間軍事会社のワールドアヴァ、か。碌な依頼も受けていないのに、やたらと武器を買い漁っているようだ。確かに怪しいな、こりゃあ」

「そんなことより!」


 運転手のサトリがハンドルをバンと叩く。


「マンゴージュースなんてどこにも売ってないじゃない」

「そりゃあ、こんなところには売ってないだろうな」


 見渡す限りの荒野。街どころか人の姿すら何時間も見ていない。姫から受けた自称PMCワールドアヴァの調査任務のため、彼らが拠点にしているとされる名も無き小さな町を目指しているところだった。当然、サトリの望むマンゴージュースにありつけそうな場所もなかった。


「奢るって言ってたのにぃ……」

「まあまあ、帰りに空港で奢るからさ」

「絶対だよ! 今度こそ絶対!」

「はいはい……、うん?」


 ハクバが向かう先に異変を感じる。地平線の向こうにわずかに煙が上がっている。


「サトリ、車を止めろ。何かおかしい」


 ハクバは、運転していたサトリに停車するように促すと、すばやく電子双眼鏡で進行方向を見る。すると、拡大した映像に小さな爆炎が上がるのが見える。


「爆発だ。やはり何かが起きてる。俺は新月で出る。サトリは町を観測できる場所まで移動してサポートを頼む」

「わかった」


 短い会話を交わすと、ハクバは荷台に向かってナイトメアフレーム新月を起動させる。



 一方、ハクバが目的としていたワールドアヴァが拠点とする町は、大混乱に陥っていた。


「おい! 敵だ! とにかく撃て!」

「あいつ、黒の騎士団なのか!?」

「わからねぇ! とにかく撃つんだよ」


 ワールドアヴァの戦闘員が、装甲車、戦車などあらゆる火器を使って、宙に浮く黒いナイトメアに向かって発砲を繰り返している。しかし、そのナイトメアは、まるで蝶のようにひらひらと弾を避け、両肩に装備された大型のスラッシュハーケンで戦闘車両を破壊していく。


「うわあっ!」

「全然弾が当たらねぇ!」

「ナイトメア相手じゃ手も足も出ないぞ!」


 次々と火の手が上がるなか、ワールドアヴァのナイトメア部隊が走り込んでくる。大戦中に使用されたグラスゴーや鋼髏などをレストアしたものではあるが、頭上にいる黒いナイトメアに対抗できるとしたら、彼らにはこれしかない。


「待たせたな。お前たちは下がっていろ。あの黒いのは俺たちがやる!」


 ワールドアヴァのナイトメア部隊が一斉に黒いナイトメアに向けて砲撃を始める。しかし、黒いナイトメアは臆することなく、その大雨のような砲撃の間を縫ってナイトメア部隊の真ん中に飛び込む。そして、右腕に装備された固定のMVS・アームズ2と、左手のクナイ型MVSを使って、ナイトメアを飴細工のように切り刻んでいく。


「な、なんだ、こいつは!?」

「化け物か!」


 最後の一体に向かって、MVSを振り下ろそうとする黒いナイトメア。しかし、その間にハクバの新月が割って入る。


「このナリ、火炎型フレームか? しかし、見たことがないぞ、こんなナイトメア」


 新月の背部に装備した新型熱斬刀で鞠熾天のMVSを受け止めたハクバ。押し返そうとするもビクともしない。
 
 「なんてパワーだ。まったく押し返せない。なら!」


 刀身をずらし、鞠熾天の力を身体の外側に流して体勢を崩させるハクバ。その隙に距離をとって腕の統合兵装のチェーンガンを撃つ。しかし、当たりはするもののダメージを受けている様子はない。


「これじゃあ軽すぎるか。お次はこれで!」


 展開したランドスピナーの回転方向を左右の足で変えて急加速させる。いわゆる超信地を旋回しつつ、遠心力を乗せた新型熱斬刀を振るうが、これは胸の装甲にかするも避けられてしまう。しかし、この一撃で本気になったのか、黒いナイトメアも新月への攻撃の手が激しくなる。一見、両腕を滅茶苦茶に振るっているように見えるが、的確にハクバの太刀筋を読んで攻撃している。
「奴さん、本気じゃなかったってことかよ……」


 その時、ファクトスフィアが反応し、新月のコックピットに警告音が鳴る。


「こいつは!」


 急にしゃがみ込んで防御姿勢をとる新月。両腕のブレイズ・ルミナスと両肩の輻射障壁を同時に発生させる。


「ぐっ! もってくれよ、新月!」


 黒いナイトメアの猛攻に耐える新月。その背後から逃げ遅れたらしい母子が姿を見せ、駆けていく。それを目にしたらしい黒いナイトメア。急に攻撃の手を止める。


「なに?」


 ハクバが驚いたのも束の間、鞠熾天は興味をなくしたかのように飛び去ってしまう。


「なんだったんだ、あいつ」

「ハクバ、大丈夫?」

「なんとかな。しかし……」


 戦闘が終わったことを察したサトリから通信が入る。ハクバはなんとか応答するものの、目の前には凄惨な光景が広がっている。目につく死傷者はいないが、ワールドアヴァは壊滅したといっていい状態だった。


「酷いな、こいつは。これをさっきの奴がたった一機でやったのか……」

「どうする? 調査を続ける?」

「いや。意味がないだろうな、これじゃあ」

「だよね」

「奴さんの正体を探るのが最優先事項になるだろう。一度日本に戻って姫に報告する必要があるな」




 一方、その小さな町で起こった一部始終を、謎多きレディ・レディも注視していた。そして、黒いナイトメアが飛び去った方向を見つめて首を傾げる。


「う~ん。やっぱり、わかんないなぁ」





 翌日、再開発の進む東京の新宿にあるエージェント新月の事務所。その一階のガレージの奥で、新月に記録された黒いナイトメアの画像を、顔立ちの整ったブリタニア人の青年が解析している。彼はエージェント新月でメカニックを担当するドク・ジョブズ。彼もハクバの隣で小首を傾げていた。


「う~ん。わからないな」

「ドクでもわからないか」

「ハクバの言う通り、紅蓮系の機体に使用されている火炎型フレームで間違いないと思う。それに外装も紅蓮聖天八極式に酷似している部分が多いんだけど……」

「じゃあ、その紅蓮聖天八極式の派生機体なんじゃないの? 私たちが知らないだけで」


 人気のファーストフード店で買った大量のフライドポテトをつまみながら、サトリが話に割り込んでくる。


「ああっ! サトリ、ラボに油もの持ち込むなっていつも言ってるだろう!」

「別にいいじゃない。ナイトメア用の潤滑油とか転がってるのに」

「それとこれとは別!」

「こら、ケンカするな。それより、サトリの言う派生機って線はないだろうな」

「そうだね」

「えっ? なんで?」

「あの紅蓮聖天八極式ってのは、元々紅月カレンがブリタニア軍に捕まった際、一緒に鹵獲された紅蓮可翔式が改造された機体だ」

「かの無職の天才、ロイド・アスプルンド博士とセシル・クルーミー氏のふたりによってね。つまり、設計図もないようなワンメイドの機体ってワケ」

「それに紅蓮系でいうなら、最新の紅蓮特式が3年も前にロールアウトして、ハシュベスの戸惑い事件に実戦投入されている。今さら紅蓮聖天八極式の派生機を作る意味がない」

「そっか。どうせ作るなら、作り方のよくわかんない聖天八極式よりも特式の派生機を作るもんね」

「そういうこった」

「ふうん」


 感心しながらフライドポテトを頬張るサトリ。空になった紙容器を丸めてゴミ箱に捨てようとするが、ドクに睨まれる。


「そのゴミ、ここで捨てないでよ」

「わかってるってば。もう」


 捨てる気満々だったことは誤魔化しつつ、仕方なく手にしていたゴミを上着のポケットに突っ込む。


「あれ?」


 ポケットの中で手に当たった何かを取り出してみると、それは香港で拾った認識表らしきもの。


「そういえば、ポケットに突っ込んだままだった。ねえ、ハク……」

「とにかく、この画像を持って姫に報告に行こう。話はそれからだ」


 サトリが声をかけようとするも、ドクが解析したデバイスを手にしたハクバは、足早に車へと向かう。


「ええっ!? もう?」

「善は急げ、って言うだろう?」

「待ってよ~」


 置いていかれまいとするサトリ。認識票らしきものを慌ててポケットに突っ込み直して、その後を追いかける。



 湾岸地区から新宿へと高速道路を走る一台のトラック。荷台には10名ほどの武装した兵士。その一人がタブレットに映る地図に表示された光点を見つめている。




「黒い紅蓮タイプが?」


 海から少し離れた高台。静かな鎌倉の別荘地の中にその洋館はあった。質素ながらも広い庭園を持つそこは、政界から離れた皇神楽耶が所有する邸宅のひとつ。その中庭に置かれた日除けの傘付きのテーブルでハクバたちの報告を受ける神楽耶が声を上げる。


「ええ。例のPMCの調査に向かったんですが、一足先にそいつが暴れ回ってました。何かご存知で?」


 ひとりだけ立ったままのハクバがドクに視線で促す。それを受けてドクが神楽耶の前に差し出したタブレットには、先ほど解析した黒いナイトメアの画像が映し出されている。


「いえ。紅蓮聖天八極式の復元や製造は、統合打撃装甲機計画にも含まれていません。基の機体もパール・パーティーに保管されているはず」

「では、超合集国も黒の騎士団も、こいつの存在は把握していないと?」

「はい。黒の騎士団ではすでにフラグシップモデルとして紅蓮特式が開発されています。今になって聖天八極式を複製することなど……」

「やっぱりそうですよねぇ。なら、こいつは一体……、っ!」


 生垣の奥からのわずかな駆動音に気付いたハクバ。咄嗟に神楽耶を抱きかかえ、突っこんできた大型のトラックを避ける。


「うわあっ!」

「な、なに!?」


 地面に転がりながら驚くドクとサトリ。トラックはテーブルを跳ね飛ばしながら、逆側の生垣の前で急停車する。


「姫様!」

「姫は無事だ。あとは頼むぞ」

「はい!」


 異変に気付いて館内から飛び出した護衛に神楽耶を引き渡すと、トラックに向かって駆け出すハクバ。荷台から降りてきた兵士の首を折って盾代わりにすると、続く兵士たちに向かっていく。


「護衛の人たちは姫様を安全な場所に!」

「サトリ! 運転席からも出てきた!」

「くっ! ハクバは手一杯だし、私がやるしか!」


 サトリがコルセットの背から銃を引き抜いて撃つ。しかし、運転席から降りてきた正体不明の兵士の防護服に阻まれ、決定的な打撃を与えられない。それどころか、手にしたアサルトライフルで撃ち返されるので、サトリとドクは慌てて倒れたテーブルの陰に隠れる。


「この銃じゃ、あの装備には通らないか……」

「ど、どうする?」


 長い手足を必死で丸めてテーブルの陰に隠れているドクは、戦闘担当でないがゆえに焦りの表情を浮かべている。運転席と助手席から降りてきたふたりの兵士は、そんなことはお構いなしに発砲しながら徐々にサトリとドクが身を隠すテーブルへと近付いていく。


「サトリ! ドク!」


 ハクバも運転席の兵士の動きに気付いて向かおうとするも、いかんせん荷台の兵士が多過ぎて身動きが取れない。


「やるしかないか!」


 意を決したサトリ。テーブルから飛び出そうとしたその瞬間、どこからともなく黒い影が舞い降りる。人間業とは思えない回転蹴りで、サトリたちに向かっていたふたりの兵士を薙ぎ倒す黒い影。その影の正体は、誰しもが知る英雄。


「ゼロ!」


 そう。黒の騎士団の総帥である仮面の英雄、ゼロ。
 驚くサトリたちの前に降り立ったゼロは、正体不明の兵士たちを睨み付ける。
 
   ep02 END

注释

  1. 格拉斯哥卡面1.png格拉斯哥:RPI-11
  2. 钢髅卡面1.png钢髅:TQ-19
  3. 在LS剧情中,重新将印度系的KMF进行划分。
    火炎型骨架:以红莲二式(Type-02)为主的KMF系列,零阳炎(Type-02/0X)、白炎(Type-01/C)、红鬼灯(Type-02H)等。
    月影型骨架:以月下(Type-03)、晓(Type-05)为主的KMF系列,斩月(Type-04)、晓直参规格(Type-05S/G)、黎明(Type-05G/ESP)等。
    水镜型骨架:以蜃气楼(Type-0/0A)为主的KMF系列,真母衣波 零式(UPI-00)、真母衣波 一式(UPI-01)等
  4. 红莲圣天八极式卡面1.png红莲圣天八极式:Type-02/F1Z
  5. 红莲可翔式卡面1.png红莲可翔式:Type-02/F1A
  6. Pure 红莲特式.png红莲特式:Type-02/SP1
  7. 统合打击装甲骑计划: 从暴虐皇帝鲁路修统治时期就开始推进的计划。以整合世界各地的KMF为首的兵器系统,提升装备维护效率与武器兼容性。 虽然测试机(兰斯洛特·阿尔比昂Zero)是在零之镇魂曲事件后逐步列装,但不列颠尼亚制系统与以印度为核心的亚洲制系统至今尚未实现技术统合。
  8. 珍珠党/パール·パーティー:由拉克夏塔·恰拉私下集结天才少女们组成的组织,在“哈什贝兹的困惑”事件中,由于事件设计到与吉尔库斯坦相关的情况,修奈泽尔着急了超合集国总部的危机管理室中香提等七人,进行紧急准备。香提是拉克夏塔的亲妹妹,负责开发了用于兰斯洛特siN和红莲特式的KMF用增设装甲。此外,曾经派往黑色骑士团的加苅萨维特里、负责“和平标志”的月下紫电控制程序的内哈·香卡尔也是珍珠党的成员,她们两个还在统一打击装甲骑计划下制造了兰斯洛特·阿尔比昂·Zero。