全站通知:
小说:第六章『看来有件事要先处理』
刷
历
编
阅读
2025-07-26更新
最新编辑:月下_Sama
阅读:
更新日期:2025-07-26
最新编辑:月下_Sama
跳到导航
跳到搜索
第六章|『看来有件事要先处理/まずは先にすませることがあるみたい』
前言 追寻罗伊德·阿斯普林德下落的白马一行人,收到修奈泽尔提供的情报。在新马林的郊外,人迹罕至的工业区,特工新月的罗伊德救出作战开始了。
不列颠尼亚共和国首都新马林市。作为巨大国家中心的总统官邸坐落于此 在名为白色花园的建筑物内的办公室里,修奈泽尔正批阅着大量文件。然后,这些文件里没有一份是与下落不明的罗伊德有关。身旁的秘书施内露出无奈的神情。 “修奈泽尔大人,竟然利用神乐耶大人的特工,这样做真的好吗?” “利用二字未免刺耳了,摩根前贵族曾经接触过罗伊德是事实吧?” 修奈泽尔视线不离文件,淡然的回答。 “正因为是事实。摩根本就是反皇族派,更是在总统选举中败给修奈泽尔大人” “这有什么问题吗?” “据警方调查,其子伊森·摩根召集了一群不良分子从事非法勾当” “我知道,据悉他们正在囤积违禁的武器弹药” “但身为议员的父亲——帕伦特·摩根前伯爵却佯装不知。尤其在与阿斯普林德博士接触后,博士就失踪了。恐怕正利用儿子谋划着什么” 施内所指的‘谋划什么’,修奈泽尔心知肚明。正因如此,他才会像走投无路一样,顺水推舟将罗伊德的情报提供给白马一行人。 “唔……如果新月特工想要与罗伊德会面,摩根他们或许会成为阻碍” 终于将视线离开文件的修奈泽尔,朝着施内微笑。 “你真是……” 施内摸着头,露出尴尬的表情。 新马林的郊外。人迹罕至的工业区内,停着数量黑色皮卡与厢式货车。工厂内到处都有持枪的不良分子警戒。他们监视的对象正是满身油污埋头组装KMF的男子——罗伊德·阿斯普林德。沿墙排列着多架他亲手组装的机体,此刻的罗伊德与其说是研究者不如说是工程师。 “这不是干的挺好吗,阿斯普林德博士” 伊森一边满意的扫视墙边排列着的萨瑟兰、无赖、晓等曾活跃于战场的KMF,一边踱步至罗伊德身旁。罗伊德闻声从组装一半的KMF后面瞥见伊森及其随从,意识到逃脱无望露出苦涩的表情。 “我说啊,这种组装的活随便找个工程师都能胜任,你们想让我做的就是这些吗?” 罗伊德无奈的继续做着头部附近的配线工作。 “老爷子打算让你去开发新型KMF呢” “哦~原来如此。因为被伊万·苏沃洛夫拒绝,所以才把我带到这里来是吧” 听到伊万的名字,伊森的表情瞬间冻住了。 “你认识伊万·苏沃洛夫?” “那当然知道了,我可是卡美洛[1]的主任啊,第五圆桌骑士的机体我也都有好好看过哦,自然清楚掌管那边工作室伊万的底细啦” “卡美洛的主任……你难道是罗伊德·阿斯普林德?” “哎呀呀,难道你什么都不知道就把我抓来了啊?” “那个混账老爹居然一句话都没提……既然如此,比起组装KMF,把他当做人质不是更有价值吗?” “人质?事到如今我只是个无业游民哦,谁会为我出赎金……” “不需要钱,只要让你做的KMF暴走,把平民牵连进去杀掉就行了” 罗伊德眯眼看着伊森的狞笑,察觉到了摩根父子的阴谋。 “原来如此,如果让与不列颠尼亚帝国时代有关联的我制造丑闻,就能把修奈泽尔殿下拖下总统宝座是吧?” “没错,那时老爷子便能……” “那可就困扰了啊” “什么!?” 正当伊森得意洋洋的说着,少女的声音从身后传来。惊讶的向后望去,只见到觉的身影。 “这个小鬼怎么回事?这地方为什么会有小鬼?” “小鬼小鬼的,对淑女太失礼了,大叔。你就是绑架阿斯普林德博士的帕伦特·摩根?” 发问的同时,觉的左眼亮起Geass纹章。 “哈?帕伦特·摩根是我家老爷子。我是奉老爷子的命令才把这博士绑来……等等我干嘛跟小鬼解释……” “那么幕后黑手就是身为国会议员令尊帕伦特·摩根,而你负责绑架阿斯普林德博士对吧?” “啧、都说是这样了,为什么我控制不止全说了……” 焦躁的伊森双瞳亮起Geass圆环。 “这就是……” 罗伊德从其异常的言行察觉到觉是Geass持有者。 “原来如此,所以和刚才说的把修奈泽尔大人从总统宝座拉下来的计划联系上了” “这小鬼!” 伊森挥拳向觉袭来,却被轻巧躲开。 “我要让博士制造暴走的KMF引发丑闻!这样就能弹劾修奈泽尔扶老爷子上位!该死!我为什么全说出来了!?” 觉一边躲着伊森的拳头,一边按下录音笔。 “证据全录下来了哦!” 随即朝着空无一人的墙边挥手。沿墙排列着多架KMF之一的晓突然启动 “干得漂亮” 驾驶舱内的白马控制晓,轻松拎起伊森。 “什、什么?喂!你们那些警戒的人呢!” 伊森大叫着,但除了随从以外的看守都被白马击倒。几个随从欲拔枪,也被驾驶晓的白马阻止。 “哎呀,你们知道血肉之躯敌不过KMF吧,不要做无谓的抵抗” 听到这话,伊森与随从只好放弃抵抗。于是收到觉信号的黑色骑士团部队涌入仓库。 “呼~总算得救了” “真会给人添麻烦” 卡农与塞西尔走向抚胸喘息的罗伊德身边。 “老板还有塞西尔。哎呀,真不好意思。说是要雇佣我,我就跟来了,结果搞成这幅样子,真伤脑筋啊” “我不是说过要小心那种天上掉馅饼的事吗” “罗伊德确实缺乏生存能力呢” 即使被塞西尔和卡农说的一塌糊涂,但罗伊德还是一副高兴的样子。在远处观望的多库露出憧憬、失望与好奇的复杂表情。 “呀嘞呀嘞,结果还是被迫干了桩苦差事” 晓的驾驶舱内,白马长舒一口气。即便从修奈泽尔处获得情报,短短数日内寻获罗伊德的下落,就算是白马也很吃力。 “创造'奇迹的明日'的诸位果然都是精明老练之人啊” 一边说着混杂敬意与无奈的话语,一边凝视屏幕上映出罗伊德的脸。 “但愿这次能得到与那家伙相关的线索……” “伊万·苏沃洛夫?” 事件结束后,白马一行人来到防卫企划开发高等研究所的办公室。当白马悠然地喝着茶并把听到的名字重复了一遍时。罗伊德查看黑色KMF的影像说道。 “嗯,这架黑色红莲型应该是伊万的作品” “伊万·苏沃洛夫……苏沃洛夫家,曾是第五圆桌骑士诺兰德·冯·吕讷堡[2]的KMF制造工作室吧?” 坐在自己办公桌旁聆听的妮娜·爱因斯坦插话道。这位开发过芙蕾雅的世纪天才也是研究所成员。 “但工作室的主任似乎是位叫做冯·布朗的年轻技术人员……” 塞西尔也露出困惑神情。 “伊万在工作室并入卡美洛前就被开除了,你们不认识很正常” “博士为什么能断定是那个叫伊万的人制造的?” 多库兴致勃勃的追问。 “你是十六夜的技术人员……” “我是多库·乔布斯!” “哇啊……” 觉对多库狂热的态度略显无语。罗伊德继续解释道。 “理由有两个。一是……他是个有趣的人,能把看到得东西完美再现出来” “完美再现?” 白马也被勾起兴趣。 “没错,只要并非未知技术,他都能仿制的一模一样。不过,这也是他的缺点” “什么意思?” “他缺乏独创性” “就是说,虽然擅长模仿他人,却无法创造新的东西吗?” 独自吃着茶点的觉问道。 “就是意思,就像所有拥有绝对音准的人不一定都能成为作曲家一样” “罗伊德老师说的这个例子很通俗易懂呢” 妮娜对罗伊德的举例赞同的拍了下膝盖。 “啊哈哈哈~有时候也要这样嘛。另一个理由是从这台黑色红莲型身上能看出他对那个缺点的‘挣扎’” “‘挣扎’……是指塞西尔·柯尔米博士也提到过的与原型机差异的部分吗?比如右臂和能量翼发生装置之类的” 白马一边回忆着与塞西尔的对话一边说道。 “没错,那里就是‘挣扎’的所在,他拼命想加入自己的独创性,但又不算是独创性的东西。正因如此,才能断言是伊万的作品” “原来如此” “那么,制造红莲型的是叫伊万的男人这点看来是确定了,你知道他在哪儿吗?” 在一旁听着对话的研究所所有者卡农,将话题拉回了白马前来的正题上,然而…… “啊哈♪完全不知道呢” 罗伊德举手投降。 “你啊,特工新月对你有救助之恩吧?别说的那么轻松,要负责到底啊” “不不,虽然不知道他确切的所在地,但我可是有眉目了哦” “光是情报也有帮助,你说的眉目是?” “你们听说过‘LDM计划’吗?” 怀基基的黑色骑士团总部。因迪拉走进一间昏暗的审讯室,透过那扇单面镜可以看见隔壁房间里坐着一个男人。他穿着旧不列颠尼亚军的驾驶服,双手背反拷在背后。他就是前几天袭击超合集国总部时,被黑丝KMF带走的驾驶员。 “就是那个男人吗,前几天袭击总部时,被黑色红莲型带走的那个?” “是的。据报告,警察发现他时,他处于昏迷状态。” 监视室这边的黑色骑士团团员回答因迪拉的同时,对袭击者的审讯仍在继续。 “那么,你连带走你的人是谁都不知道咯?” “我不是说过了,连脸都没看到。只有一件事可以确定” 男人的话让因迪拉集中力注意力。 “那家伙是女性” ep06 END
原文展开/折叠
ロイド・アスプルンド博士の行方を追うハクバたちにシュナイゼルから情報がもたらされる。ニューマーリンの郊外、人気のない工場地帯でエージェント新月のロイド救出作戦が始まる。 ブリタニア共和国の首都ニューマーリン。巨大な国の中心となる大統領官邸もまたそこにある。ホワイトガーデンと称される建物の執務室で、シュナイゼルが次々と多くの書類に目を通している。しかし、どれも行方不明になったロイドに関係するものではない。その隣で秘書のシュネーが呆れた表情を浮かべている。 「本当によかったんですか、シュナイゼル様? 神楽耶様のエージェントをあんな利用するような真似をして」 「利用だなんて人聞きが悪いね、シュネー。ロイドがモーガン元伯爵から接触を受けたのは事実だろう?」 資料から目を離さずにシュネーに返すシュナイゼル。 「事実だからですよ。モーガンは元々反皇族派。何より、選挙でシュナイゼル様に負けて大統領になり損なった男です」 「それが何か問題でも?」 「モーガンの息子、イーサン・モーガンが素行の悪い連中を集めてろくでもない商売をしているのは、警察の調べがついています」 「知っているよ。今じゃ御法度の武器弾薬を集めているらしいね」 「しかし、国会議員の父親、パレント・モーガン元伯爵は知らぬ存ぜぬ。接触したあとに、アスプルンド博士が行方不明になったにもかかわらずです。おそらく、息子たちを使って何かを企んでいるんでしょうね」 シュネーが言葉にした「何か」が、どういった企みなのか、シュナイゼルはよくわかっている。だからこそ、渡りに船とばかりに、ハクバたちにロイドの情報を提供したのだ。 「ふむ。エージェント新月がロイドと会おうと思うと、モーガンたちが邪魔になるかもしれないね」 ようやく資料から目を離したシュナイゼルは、そう言ってシュネーに微笑みかける。 「あなたという方は……」 額に手を当て、困り顔で呆れるシュネー。 ニューマーリンの郊外。人気のない工場地帯のひとつに、黒塗りのピックアップトラックや黒いバンが何台か止まっている。工場の内部では、そこかしこに銃で武装したならず者が見張りに立っている。見張る対象は、全身油まみれでせっせとナイトメアを組み上げている男、ロイド・アスプルンドだ。研究者というよりエンジニアに近い姿のロイドが組み上げたナイトメアが壁沿いにいくつか並んでいる。 「やればできるじゃないか、博士さんよ」 サザーランドや無頼、アカツキといった、かつて戦場で活躍したナイトメアが壁沿いに並ぶのを満足そうに眺めつつ、イーサンがロイドのもとにやってくる。声をかけられて、組み上げ途中のナイトメア越しにちらりと見るロイド。イーサンが部下を引き連れているので、逃げ出せないことを悟り、苦々しい表情を浮かべる。 「あのね。こんなのエンジニアだったら、誰でも出来ることなの。君たちが僕にやらせたいことってこんなことだったのかい?」 呆れた様子で頭部あたりの配線作業に戻るロイド。 「親父は、あんたに新型のナイトメアの開発をやらせようって腹だったみたいだがな」 「ふ~ん。なるほどね。イワン・スヴォロフに袖にされたから、僕が連れてこられたってわけだ」 イワンの名を出され、一瞬、イーサンの表情が凍りつく。 「あんた、イワン・スヴォロフを知っているのか」 「そりゃあ知ってるでしょ。僕ぁ、これでもキャメロットの主任だったんだよ。ナイトメアオブファイブの機体もちゃ~んと見てたの。だから、あそこの工房を仕切っていたイワンのこともご存じなワケ」 「キャメロットの主任って……。あんた、ロイド・アスプルンドなのか?」 「あらら。知らずに連れてきてたの?」 「あのクソ親父め、そんなこと一言も……。なら、ナイトメアなんか作らせずに人質にしたほうが価値があるじゃねぇか」 「人質って。今となっては僕はただの無職だよ? 僕のためにお金を出してくれる人なんて……」 「別に金なんていらないさ。あんたが作ったナイトメアが暴走して一般人を巻き込んで殺してくれるだけでいい」 ニヤつくイーサンの言葉を聞いて、目を細めるロイド。モーガン親子の真意に気づく。 「なるほどね。帝国時代に関係のあった僕が不祥事を起こせば、シュナイゼル殿下を大統領の座から引きずり落とせる、と」 「その通り。そうすればウチの親父が新しい大統領に……」 「そんなことされると困るなぁ」 「なにっ!?」 気分よく話しているイーサンの後ろから少女の声がする。驚いて振り向くと、そこにはサトリの姿がある。 「なんだ、このガキ? どうしてガキがこんなところにいる?」 「ガキガキ、ってレディ相手に失礼なオッサンね。あなたが、アスプルンド博士をさらったパレント・モーガンって人?」 そう尋ねるサトリの左目にはギアスが灯っている。 「はあ? パレント・モーガンは親父のほうだ。俺は親父の命令でこの博士を……って、なんで俺はこんなガキに……」 「じゃあ、国会議員のあなたのお父さん、パレント・モーガンが黒幕で、息子のあんたがアスプルンド博士をさらってここに連れてきたってわけね」 「ちっ! だから、そう言ってるだろう、って俺はさっきからなんでペラペラと……」 焦るイーサンの両目には被ギアス輪が灯っている。 「これって……」 イーサンのその不可解な言動からサトリがギアスユーザーだと気づくロイド。 「なるほどね。それでさっきのシュナイゼル様を大統領から引きずり下ろす話につながるんだ」 「このガキ!」 イーサンがサトリに殴りかかるがひょいと避ける。 「俺は、この博士に暴走ナイトメアを作らせて事件を起こすんだよ! そうすればシュナイゼルを糾弾して親父を大統領の座に据えられる! くそっ! なんで全部喋っちまうんだよ!?」 そこそこキレのいいイーサンのパンチを避けながらICレコーダーを止めるサトリ。 「証拠、バッチリ録れたよー!」 と、誰もいない壁際に手を振る。すると、駐機してあったナイトメアのひとつであるアカツキが動き出す。 「お見事」 アカツキがひょいとイーサンを持ち上げる。そのコックピットにいるのはハクバ。 「な、なんだ? おい! お前ら、見張りはどうした!?」 イーサンが叫ぶが、取り巻き以外の見張りはすでにハクバが昏倒させたあと。その取り巻きも銃を取り出そうとするが、アカツキに乗ったハクバが止める。 「おっと、生身でナイトメアに敵わないのは知ってるだろう? 無駄な抵抗はしなさんな」 その言葉に、イーサンもその部下も観念する。すると、サトリの合図を受けた黒の騎士団の部隊が倉庫内へと入ってくる。 「ふう。どうやら助かったみたい」 「まったく世話が焼けるんだから」 胸を撫でおろすロイドのもとにやってきたのはカノン。その奥にはセシルの姿もある。 「オーナーにセシル君。いやあ、かたじけない。雇ってくれるってついてきたら、この有様。参っちゃうよね」 「いつもうまい話には気をつけてくださいって言ってるじゃないですか」 「本当にロイドは、生きていく術ってものがごっそりと欠落しているわね」 セシルとカノンのふたりにボロクソに言われても、なんだか嬉しそうなロイド。その様子を少し離れたところから見ているドクは、憧れと失望と怖いもの見たさが混じった複雑な表情を見せている。 「やれやれ。結局一仕事させられちまったな」 アカツキのコックピット内で一息つくハクバ。いくらシュナイゼルから情報をもらったとはいえ、この短期間でロイドを探し出すのはさすがのハクバでも骨の折れる仕事だったからだ。 「奇蹟の明日を成し遂げた人たちってのは、どうもしたたかでいらっしゃる」 敬意と呆れの混じった言葉をもらしつつ、モニターに映るロイドの顔を見る。 「今度こそ奴さんにつながる情報を得られるといいんだが……」 「イワン・スヴォロフ?」 事件を終え、防衛企画開発高等研究所のオフィスへとやってきたハクバたち。呑気にお茶をすすりながら黒いナイトメアの画像を見ているロイドの口から出た名前をハクバが復唱する。 「うん。この黒いグレン型はイワンが作ったものだろうね」 「イワン・スヴォロフ……。スヴォロフ家って、元ナイトオブファイブ、ノーランド・フォン・リューネベルクが所有していた工房でしたよね?」 自分のデスクで話を聞いていたニーナ・アインシュタインが口をはさむ。フレイヤを開発した世紀の天才である彼女もまた、この防衛企画開発高等研究所の所員である。 「でも、工房の主任技術者は、フォンブラウンって若い技術者だったような……」 セシルもピンと来ていない様子。 「イワンは、キャメロットに統合する前にクビになっちゃったんだ。ふたりが知らないのも無理もないね」 「どうして博士は、そのイワンって人が作ったと断言できるんです?」 と、ドクは興味津々。 「君はイザヨイの技術者の……」 「ドク・ジョブズです!」 「うわあ……」 食い気味のドクに少し引くサトリ。ロイドのほうは構わず続ける。 「理由はふたつ。ひとつは……、彼は面白い男でね。見たものを完全再現できるんだ」 「完全再現?」 ハクバも食いつく。 「そう。未知の技術でない限り、そっくりのものを作ることが出来る。でも、これが彼の弱点でもある」 「どういう意味ですか?」 「彼は、独自性を持たないのさ」 「他の人の真似っこは得意でも、新しいものは作り出せないってことですか?」 茶請けのお菓子をひとりで食べていたサトリが聞く。 「そゆこと。絶対音感のある人の誰しもが作曲家になれないのと一緒だよ」 「ロイド先生にしては、わかりやすい例えですね」 とロイドが出した例えに膝を打つニーナ。 「あははは~、たまにはね。で、もうひとつの理由は、その弱点に対する“あがき”が、この黒いグレン型から見て取れるからなんだ」 「あがき……、クルーミー博士も指摘されていたオリジナルとの差の部分のことですか? 右腕やエナジー・ウイング発生器といった……」 ハクバがセシルとの会話を思い出しながら口にする。 「そう。まさにそこがあがきだね。何とか自分の独自性を入れようとした。でも、独創的なものとまではいえない。だからこそ、イワンの作だと断言できるってワケ」 「なるほど」 「で? グレン型を作ったのが、イワンって男らしいのは確かなようだけど、居場所はわかるの?」 隣で話を聞いていた研究所のオーナーであるカノンが、ハクバたちがやってきた本題へと戻す、が……。 「あはっ♪ ぜ~んぜん」 と、ロイドはお手上げ。 「あなたね。エージェント新月には助けてもらった恩があるでしょう? 調子良く喋ってないで最後まで責任持ちなさい」 「いやいや。居場所は知らないけど、目星はついてるんですよぉ」 「情報だけでも助かります。その目星ってのは?」 「君たち、“LDM計画”って聞いたコトある?」 ワイキキの黒の騎士団本部。薄暗い取調室にインディラが入ってくる。マジックミラーになっている大きな窓の向こうの部屋には、旧ブリタニア軍のパイロットスーツを着た男が後ろ手に手錠をかけられて座っている。先日、超合集国本部を襲撃し、黒いナイトメアに連れ去られたパイロットだ。 「あの男か。先日の本部襲撃の際に、黒いグレン型に連れ去られたというのは」 「はい。気を失った状態で警察が保護したとのことです」 監視室側の団員がインディラに答える一方で、襲撃者の男へ尋問が続いている。 「では、あなたを連れ去った相手が何者かもわからないんだね?」 「言っただろう。顔も見えなかったって。ただひとつだけ確かなことがある」 「うん?」と男の言葉に、注意を向けるインディラ。 「奴は女だ」 ep06 END