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Pure特别篇前篇

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月下_Sama

特别篇 |『黑色闪电』前篇

光和4年。
神圣不列颠尼亚帝国最后的皇帝鲁路修·vi·不列颠尼亚被稀世英雄Zero讨伐后已过了许久。长期以来,世界经历了争斗与仇恨的历史,随着征服世界的暴虐皇帝鲁路修的死为契机,世界开始走向通过和平而不是武力、通过慈爱而不是仇恨,相互扶持共同迈向明天的道路。尽管几年前发生了吉尔库斯坦绑架Zero和娜娜莉的『哈什贝兹的困惑』这样小规模事件,但在世界规模的联合国家超合集国的指导下,通过黑色骑士团、格林达骑士团[1]的迅速解决事件。是的。世界改变了。变成了一个以和平为常态的世界。
然而——。
尽管世界走向了和平,但争斗并未彻底根除。没有争斗就无法生存的人、通过争斗获得财富的人、那些本就渴望斗争的人。社会由人组成,只要人类存在,争斗就不会完全消失。在吉尔吉斯斯坦这里发生的骚乱就是其中之一。

“白马,那个黑色的家伙真的会来这里吗?”
“嗯?会的。如果我的直觉没有错的话。”
坐在拖车驾驶位的是一位稚气未脱的红发少女——觉·利西留。别看她年纪轻轻,但她是由皇神乐耶创建的情报机构“十六夜”的特工之一。回答她问题的是正在用平板电脑查看地图的宗贺白马。同样是“十六夜”的特工。两人把拖车停在距离吉尔吉斯斯坦首都比什凯克市中心很远的自然公园,等待着那一刻的到来。
“直觉这么模糊的东西。不过,白马的直觉从没错过……”
“直觉这种东西,是经验和知识融合而成的。另外,我的直觉感觉这次的骚乱马上就会由示威方挑起。”
话音刚落,议会所在的街道中心燃起来爆炸的火焰。
“看吧。”
几天前,由于总统优先考虑自己及周围亲信利益的政策,导致不满的吉尔吉斯斯坦国民举行了抗议集会。然而,政府军在镇压集会的过程中开火,导致抗议集会发展为武装冲突。示威队伍正从举行集会的塔拉斯州向首都比什凯克进发。
“开始了!”
“嗯。他们都在使用退役的KMF进行战斗,那么多数量,到底是从哪里得来的。”
白马透过望远镜看到看到无赖、萨瑟兰、钢髅[2]等KMF进行乱斗。战斗规模已经超出小规模冲突的范围,发展为大规模战斗。
“情况不妙。这种情况继续下去的话,市区和市民都会遭受巨大损失。觉,黑色骑士团有什么动静吗?”
“大约30分钟前有一艘浮游航空舰从新德里出发,好像是温伯格空将的舰船。”
“前第三圆桌骑士亲自出动。看来黑色骑士团也预料到那个家伙会介入。”
“那个黑色的家伙……‘Pure Elements G’。”
“嗯,为了应对那家伙我回驾驶新月出动。觉,你到离通信范围极限地方等待。”
“明白了,小心点。”
“谢谢。”
白马轻轻触摸缠在左臂上有着可爱图案的布,然后移动到拖车的货仓。那里放置的是白马对晓[3]进行改装升级后的专用机——新月。白马登上新月,从拖车货仓中跃出,香市中心赶去。
阿瓦隆级浮游航空舰“蜂鸟”号,在黑色骑士团航空幕僚长吉诺·温伯格的指挥下,政接近吉尔吉斯斯坦的上空。
“空将,我们即将进入吉尔吉斯斯坦。”
“情况如何?”
“示威队伍和政府军之间的战斗已经开始了。”
先行派出的无人机摄像头所拍摄的影像显示在蜂鸟号的舰桥上。在市中心的白马也看到了KMF之间的激烈战斗。
“双方都在使用KMF?从哪里获得这么多数量的KMF。不过,这么大规模的战斗,那家伙介入的可能性很高。不要放松警惕。”
“是。但目前在索敌范围内没有反应。”
“即便如此,那家伙也会从索敌范围外突然飞过来。如果有异常,立刻通知我。我将率领‘绿色部队[4]’去镇压骚乱。”
吉诺发出指令后离开舰桥,前往他心爱的机体——崔斯坦·分歧者[5]所在的格纳库。

“啊!”
在战斗加剧的比什凯克市中心,KMF的战斗中被炸脱落的大楼外墙,落在来不及逃跑的母子头上。
“该死!”
白马一边用新月的手臂机炮破坏墙壁,一边用辐射屏障保护母子。
“快逃!快逃离市区!”
在千钧一发之际获救的母子听从白马的话立马跑开。
“连避难通告都不发出……!”
不顾市民的政府军和示威队伍让白马愤怒不已。这时,一支战斗机编队出现在他的头顶。以吉诺·温伯格的崔斯坦·分歧者为首和11台崔斯坦[6]的简易量产型KMF——基斯利组成的绿色部队。
“那是绿色部队啊。那么,这场战斗就算是结束了。”
正如白马所言,吉诺指挥的绿色部队迅速镇压了政府军和示威队伍双方的KMF。

“事情就这么结束了吗……诶!?”
在城外观察战斗的觉的平板电脑发出刺耳的警报声。那是一台身份不明的机体正高速接近战斗中心的警报。
“来了,白马!”

“空将,那个家伙出现了!”
同样的,吉诺也接到了蜂鸟号接线员的报告。但在街道通知前,吉诺眼前已被一道红光掠过。
“果然来了,Pure Elements G。”
出现在比什凯克上空的是被称为Pure Elements G的黑色的KMF。它的外形与曾经击败暴虐皇帝鲁路修的骑士枢木朱雀驾驶的兰斯洛特·阿尔比昂[7]的英雄红月卡莲驾驶的红莲圣天八极式[8]极为相似。
“今天一定要抓住你!”
崔斯坦·分歧者从KGF模式变形为KMF模式向Pure Elements G逼近,但Pure Elements G迅速躲开,并袭击了政府军的示威队伍的KMF。
“什么!?”
Pure Elements G用右手装备有施罗特钢[9]制成的巨型爪子不断刺入敌机、摧毁KMF。它不分敌我横扫的身影,令被袭击者宛如看到恶魔一般。
“啊!”
政府军的驾驶员不由得喊出声。看着接二连三被摧毁的僚机和敌机,恐惧得身体缩成一团,连防御动作都无法进行。
“住手!”
在迫近的Pure Elements G面前,白马突然挡住。虽然展开了辐射屏障,但这一击非常沉重。
“诶……规格差距太大了!”
“你这家伙”
在白马的新月挡住攻击的同时,吉诺向Pure Elements G砍去,但被很容易的躲开了。
“可恶!太快了。那台白色的KMF是十六夜的……”
“感谢您的帮助,温伯格空将。”
“不,我应该感谢你。我想阻止它制造无谓的破坏,能帮助我吗?”
“了解,不过……”
白马追着Pure Elements G的黑影,那台机体正拖着从光之翼释放出来的红光的尾巴,接连摧毁政府军和示威队伍的KMF。双方的战意已经消失殆尽。
“这怪物……。基利斯队,包围它!无论如何都要抓住它!”
“了解!”
11台基利斯主意变形为KMF模式,包围住Pure Elements G。各自握着MVS。即使施罗特钢的硬度再高,也无法与通过高频振动提高切割力度的特殊兵器MVS相抗衡。11台基利斯同时向Pure Elements G挥舞MVS,多个斩击声回荡不绝。
“成功了吗”
与吉诺满怀期待的话语相反,站在那里的只有一台Pure Elements G。本该挥舞着MVS的基利斯全部倒在地上。
“什么?!基利斯队被全灭了?到底是怎么做到的……”
只见Pure Elements G左手握着一柄苦无形的MVS,和红莲圣天八极式的一模一样。
“可恶,连那把MVS都复制了吗!”
吉诺一边说,一边挥舞着手中的Excalibur。吉诺的崔斯坦·分歧者装备的Excalibur,正是曾经被誉为帝国最强骑士的第一圆桌骑士俾斯麦·瓦尔德施泰因所使用的剑[10]。对于Pure Elements G来说,即使持有MVS也很难占据上风。再加上吉诺的剑技是基利斯队驾驶员无法比拟的高度。如舞蹈般的斩击让Pure Elements G这个以恶魔一样战斗力的也只能被迫防守。
“抱歉了,我要砍断你的手脚了!”
Excalibur的剑尖对准了Pure Elements G的关节,然而,识破吉诺不是击毁而是俘获的剑术轨迹被Pure Elements G成功躲开。利用这一空隙,Pure Elements G将右臂的复合兵器Tri-Arms的基部旋转,从拥有施罗特钢制成爪子的Arms1切换为内置MVS的剑的Arms2。
“手臂变形了!?”
吉诺注意到这一点,但Pure Elements G的动作比他快了一瞬。Pure Elements G以闪光般的速度挥动右手的Arms2和左手苦无形的MVS,斩断了崔斯坦·分歧者的飞翔滑走翼和腿部。
“可恶!到此为止了吗!”
Pure Elements G看了一眼倒下的崔斯坦·分歧者,环顾四周,不仅是吉诺的绿色部队,就连政府军和示威队伍也没有可动弹的机体。确认了这一点后,Pure Elements G展开能量翼,以惊人的速度飞离了战场。
“就连我亲自上场也未能抓住它,真是无地自容啊。”
从驾驶舱爬出来的吉诺咬牙切齿的说着。
“没事吧?温伯格空将。”
“嗯,我没事。那家伙呢?”
“和以前一样,眨眼间就脱离了Fact Sphere的感应范围。”
“是吗。不过,神乐耶大人的特工应该预料到我会失败,所以布置了一些计划吧?”
“是的。趁空将和它战斗的间隙我给它装了发信器。对不起,我利用了您。”
“没关系。没能击败它是我自己的失误。还有其他发现吗?”
“其他的也和以前一样,尽管如此猛烈地行动,但还是把伤亡控制在最小限度。”
“果然如此。确实,我的绿色部队也没有任何伤亡。越来越不明白他的目的了。”
“为了弄清楚那家伙的真实意图,必须尽快抓住它。”
“是啊。那么,宗贺……”
“请不要说出我的真名。”
“抱歉。新月特工,请继续追踪它的动向。我负责处理吉尔吉斯斯坦的善后工作。有些事我很在意。”
“在意的事?是关于KMF的吗?”
“果然,你也发现了。没错,政府军和示威队伍拥有这么多KMF实在不正常。因此,我要调查一下。”
“嗯……说不定这关系到那家伙的下一步动向。如果可以的话,可以拜托您提供情报吗?”
“当然了,接下来我会给你安排一些增援。这是我们绿色部队都无法对付的对手,你一个人应对也太勉强了。”
“那真是太感谢了。不过,实力超过空将的人应该不多吧?”
“你可真会说好话。不过,那家伙……,能击败Pure Elements G的,只有那个人了。”
“那该不会是……”

黑色骑士团总部。办公室的电话响起。
“是我。”
接到吉诺电话的是一位身穿黑衣、戴着面具的男人。黑色骑士团的CEO——Zero。
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Pure特别篇前篇1.png Pure特别篇前篇2.jpg

  光和4年。

 神聖ブリタニア帝国最後の皇帝、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが、希代の英雄ゼロに討たれて幾ばくかの時間が流れた。長きに渡って争いと憎しみの歴史を重ねて来た世界は、世界征服を目論んだ悪逆皇帝ルルーシュの死をきっかけに、武力ではなく対話をもって、憎しみではなく慈しみをもって、互いに手を取り合って明日に向かって歩みを進めている。数年前に起きたジルクスタンによるゼロとナナリー誘拐事件、『ハシュベスの戸惑い』のような小規模の事件が起きることもあったが、世界規模の連合国家である超合集国の意向のもと、黒の騎士団、グリンダ騎士団らによって迅速に解決されてきた。そう。世界は変わった。争いではなく平和が常となる世界へと生まれ変わったのだ。
 しかし――。
 平和へと生まれ変わった世界と言えど、争いが根絶されたわけではない。争いがなければ生きていけない者、争いによって富を得たい者、そもそも争いを望む者。人が生きる以上、人によって社会が形成される以上、争いが完全に無くなることはない。ここキルギスで起きている騒乱もそのひとつだった。




「ハクバ。例の黒いヤツ、本当にここに来るのかな?」

「うん? 来るさ。俺の勘が当たっていたらの話だけどな」


 トレーラーの運転席に座るのは、幼さの残る赤毛の少女、サトリ・リシリュー。幼く見えても皇神楽耶が設立した諜報機関イザヨイのエージェントのひとりだ。そのサトリの問いに答えたのは、タブレットで地図を眺めていた宗賀ハクバ。同じくイザヨイのエージェント。ふたりはキルギスの首都、ビシュケクの中心から遠く離れた自然公園にトレーラーを止め、その時を待っていた。


「勘って、そんな曖昧な。でも、ハクバの勘って外れたことないんだよね……」

「勘ってのは、経験とか知識とかが合わさって働くもんだからな。勘の話をもうひとつすると、今回の騒乱、もうすぐデモ隊の方から仕掛けてくると思う」


 と、ハクバが口にすると同時に、議会場のある街の中心に爆炎が上がる。


「ほらな」


 ここキルギスでは、数日前に、大統領が自身や周囲の利益を重視した政策を優先することに対して不満を抱いた国民によって抗議集会が開かれた。ところが、その集会を鎮圧しようとした政府軍側の発砲によって大規模な武力衝突に発展。デモ隊は集会を開いたタラスから首都ビシュケクに向かっていたのだ。


「始まっちゃった!」

「ふむ。どっちも払い下げのナイトメアを使ってドンパチしているのか。あれだけの数、どこから手に入れたんだか」


 ハクバが双眼鏡を覗くと、無頼やサザーランド、鋼髏などのナイトメアフレームが入り乱れて戦っている。その数は小競り合いの域を越え、大規模な戦闘へと発展していた。


「マズいな。このままだと街や市民への被害が大きい。サトリ、黒の騎士団の動きは?」

「30分ほど前にニューデリーから浮遊航空艦が出たって。ヴァインベルグ空将の艦らしいよ」

「元ナイトオブスリー自ら出てくるとはな。黒の騎士団の方でも、奴さんが介入してくると踏んでいるらしい」

「例の黒いヤツ……、“ピュアエレメンツG”だね」

「ああ。俺は奴の出現に備えて新月で出る。サトリは通信圏ギリギリまで離れていてくれ」

「わかった。気をつけてね」

「ありがとよ」


 ハクバは左腕に巻かれた可愛らしい柄の布にそっと触れると、トレーラーの荷台へと移動する。そこに鎮座するのは、暁にハクバ用の改修とアップデートを施した専用機、新月。ハクバは新月に乗り込むと、トレーラーの荷台を飛び出し、街の中心へと向かった。



 アヴァロン級浮遊航空艦ハミングバードは、黒の騎士団航空幕僚長であるジノ・ヴァインベルグの指揮のもと、キルギスの上空に差し掛かろうとしていた。


「空将、間もなくキルギスに入ります」

「状況は?」

「既にデモ隊と政府軍の間で戦闘が始まっています」


 先行させたドローンのカメラによる映像がハミングバードのブリッジに映し出される。そこには、ハクバも見たナイトメアフレーム同士の激しい戦闘が繰り広げられていた。


「両者ともナイトメアを? あれだけの数、どこから手に入れたというんだ。しかし、これだけ大規模の戦闘となると、奴が介入してくる可能性が高い。警戒を怠るな」

「はっ。しかし、現在、索敵範囲に反応はありません」

「それでもだ。奴は索敵範囲外から一気に飛んでくる。異常があればすぐに伝えろ。私はグリーンフォースを率いて、騒乱の鎮圧に出る」


 ジノは指示を出すと、愛機であるトリスタン・ディバイダーの待つ格納庫へと向かうため、ブリッジを後にした。




「きゃあっ!」


 戦闘が激化するビシュケクの中心街。ナイトメアフレーム同士の戦闘で吹き飛んだビルの外壁が、逃げ遅れた母子の頭上に降り注ぐ。


「この!」


 腕に装備した機銃で外壁を破壊しつつ、輻射障壁で母子を守るハクバの新月。


「逃げろ! 街から避難するんだ」


 間一髪で命を救われた母子はハクバの言葉に従って駆け出す。


「避難勧告も出さないなんて……!」


 市民を顧みない政府軍、デモ隊両方に苛立ちを募らせるハクバ。その頭上に戦闘機編隊が姿を現す。ジノ・ヴァインベルグの駆るトリスタン・ディバイダーを先頭に、トリスタンの簡易量産型ナイトメアフレーム、キースリー11機で編成されたグリーンフォースだ。


「あれはグリーンフォースか。なら、この戦闘は終わったようなものだな」


 ハクバの読み通り、ジノの指揮するグリーンフォースが、鮮やかに政府軍、デモ隊両者のナイトメアフレームを制圧していく。




「このまま、何事もなく終わるのかな……、えっ!?」


 街の外れで戦闘の様子を見ていたサトリのタブレットがけたたましい警告音を響かせる。それは、高速で戦闘の中心に向かう正体不明機の来訪を報せるものだった。


「来たよ、ハクバ!」




「空将、奴が現れました!」


 同様にハミングバードのオペレーターからの報せを受けるジノ。しかし、その報告を受けるよりも早く、ジノの眼前を赤い光が通過する。


「やはり来たか、“ピュアエレメンツG”」


 ビシュケクの上空に現れたのは、ピュアエレメンツGと呼ばれる漆黒のナイトメアフレーム。その姿は、かつて悪逆皇帝ルルーシュの騎士、枢木スザクのランスロット・アルビオンを破った英雄、紅月カレンが駆った紅蓮聖天八極式と酷似している。


「今日こそ、お前を捕える!」


 フォートレスモードからナイトメアモードへと変形したトリスタン・ディバイダーが迫るが、ピュアエレメンツGは素早くその脇をすり抜け、政府軍、デモ隊両方のナイトメアフレームに襲い掛かる。


「何!?」


 ピュアエレメンツGは、右手に備えられたシュロッター鋼製の巨大な爪を次々と突き立て、ナイトメアフレームを破壊していく。敵味方関係なく薙ぎ払っていくその姿は、襲撃を受けた者たちには悪魔のように見えた。


「ひいっ!」


 政府軍のパイロットが思わず声を上げる。為す術なく破壊されていく僚機や敵機を見て、恐怖で身体が竦み上がり、防御行動もとれていない。


「やめろ!」


 迫るピュアエレメンツGの前に割って入るハクバ。輻射障壁を張るが、その一撃は重い。


「ぐうっ……、スペックが違い過ぎる」

「このっ!」


 ハクバの新月が攻撃を受け止めている隙に、ジノがピュアエレメンツGに斬りかかるが、すんでのところで躱されてしまう。


「ちっ! 素早い。そっちの白いのは確かイザヨイの……」

「どうも。助かりました、ヴァインベルグ空将」

「いや、こちらもだ。あいつによる無用な被害を防ぎたい。手伝ってくれるか」

「了解です。とは言ったものの……」


 ハクバがピュアエレメンツGの黒い影を追うと、目的の機体は、光の翼から放たれる赤い光の尾を引いて、次々と政府軍、デモ隊のナイトメアを破壊していく。もはや両者から戦意を感じることはできない。


「この化け物め……。キースリー隊、奴を取り囲め! 何としてでも捕縛するんだ!」

「了解!」


 次々とナイトメアモードに変形しつつ、ピュアエレメンツGを囲むように展開する11機のキースリー。それぞれにMVSを構える。いくらシュロッター鋼が高い硬度を誇っていても、刃を高周波振動させて切断力を高めた特殊兵装であるMVSには敵わない。11機のキースリーが一斉にピュアエレメンツGに向かってMVSを振るう。複数の斬撃音が木霊する。


「やったか」

ジノの期待を込めた言葉とは裏腹に、そこに立っていたのはピュアエレメンツG、たった一機のみだった。MVSを振るったはずのキースリーは全機、その場に崩れ落ちる。


「なに!? キースリー隊が全滅? どうやって……」


 見ると、ピュアエレメンツGの左手にはクナイ型のMVSが握られている。紅蓮聖天八極式のものと全く同じものだ。


「くっ、そのMVSも完全にコピーしたってわけかい!」


 言いつつ、両手に構えたエクスカリバーを振るうジノ。ジノのトリスタン・ディバイダーに装備されたエクスカリバーは、かつて帝国最強の騎士と謳われたナイトオブワン、ビスマルク・ヴァルトシュタインの駆るギャラハッドが装備していた剣。ピュアエレメンツGからすると、いくらMVSを持っていたとしても分が悪い。それに加え、ジノの剣技はキースリー隊のパイロットとは比べ物にならないほどの高さ。舞うように繰り出される斬撃に、悪魔のような戦闘力を誇ったピュアエレメンツGも防戦一方になる。


「悪いが、その手足を落とさせてもらう!」


 エクスカリバーの切っ先が、ピュアエレメンツGの関節に向けられる。しかし、撃墜ではなく、鹵獲を狙うジノの太刀筋を読んだピュアエレメンツGはこれを回避。その隙をついて、右腕の統合兵装であるトライアームズの基部を回転させ、シュロッター鋼製の爪を持つアームズ1からMVSを内蔵した剣、アームズ2へと換装する。


「腕が変わっただと!?」


 ジノがそれに気付くも、ピュアエレメンツGの動きのほうが一瞬早い。まるで閃光のような速さで右腕のアームズ2と左手のクナイ型MVSを振るい、トリスタン・ディバイダーの翼と脚を斬り落とした。
 
 「くそっ! ここまでか!」


 崩れ落ちたトリスタン・ディバイダーを横目に、周囲を見渡すピュアエレメンツG。ジノたちグリーンフォースだけではなく、政府軍やデモ隊にも動ける機体はない。それを認めると、エナジー・ウイングを広げ、驚異のスピードでその場から飛び去ってしまった。


「私自ら戦場に出ておきながら、奴を取り逃がしてしまうなどと、なんと不甲斐ない」


 コックピットから這い出てきたジノが歯噛みする。


「大丈夫ですか? ヴァインベルグ空将」

「ああ。私は無事だ。奴は?」

「これまでと同じです。あっという間にファクトスフィアの感知圏内から離脱しました」

「そうか。だが、神楽耶様のところのエージェントのことだ。私が負けることも見越して策は施したのだろう?」

「はい。空将との戦闘の隙を突いて奴に発信機を仕掛けました。すみません。利用するような真似をしてしまって」

「いいさ。奴に勝てなかったのは私自身の落ち度だからな。他に気付いたところは?」

「他も今まで通りです。あれだけ派手に立ち回っておきながら、人的被害は最小限に抑えられています」

「やはりか。確かに我がグリーンフォースも死傷者ゼロだ。ますます奴の目的がわからないな」

「奴の真意を聞き出すためにも、早くとっ捕まえないとですね」

「そうだな。なら、宗賀の……」

「本名はご勘弁を」

「すまない。そうだった。エージェント新月は、奴の動向を追ってくれ。私はここキルギスの事後処理を行う。気になることもあるしな」

「気になること? もしかしてナイトメアのことですか?」

「やはり、君も気づいたか。そうだ。政府軍、デモ隊ともにこれだけの数のナイトメアを所有しているのはおかしい。だから、少し問い質してみようと思ってね」

「ふむ……。ひょっとすると、奴の次の動向に繋がるかもしれません。良ければ情報提供をお願いしても?」

「もちろんだ。後は助っ人も手配しておく。我がグリーンフォースが敵わなかった相手だ。君一人が相手するには荷が重いだろう」

「それはありがたい話です。ですが、空将以上の実力を持った人なんてそうそういないのでは?」

「嬉しいこと言ってくれるね。でも、奴……、ピュアエレメンツGに勝てるとしたら、あいつしかいない」

「それってもしかして……」



 黒の騎士団本部。執務室の電話が鳴る。


「私だ」


 ジノからの連絡を受けたのは、黒衣の仮面の男。黒の騎士団のCEOであるゼロだ。
  1. 原神圣不列颠尼亚帝国的反恐怖分子机关。现在受到黑色骑士团和超合集国双方的委托,担负着相互监督,防止双方失控的任务。
  2. 无赖:Type-1R,萨瑟兰:RPI-13,钢髅:TQ-19
  3. 晓:Type-05。此处与介绍冲突,在人物介绍处写新月是月下(Type-03)改造的,后续设定也明确为使用月下改造的
  4. Green Force
  5. 崔斯坦·分歧者:RZA-3F9X1
  6. 崔斯坦:RZA-3F9
  7. 兰斯洛特·阿尔比昂:Z-01Z
  8. 红莲圣天八极式:Type-02/F1Z
  9. 施罗特钢:一种能使卢米纳斯技术停滞的材质,硬度很高
  10. Excalibur:俾斯麦·瓦尔德施泰因的专用的KMF——加拉哈德的武器,由皇帝查尔斯所命名的攻防一体的巨剑。在KMF的近距离格斗武器中具有最大级别的威力。是像MVS一样使用KMF能量进行充能的类型,能挡住神虎(TX-404)的天愕霸王荷电粒子重炮,也能挡住兰斯洛特·阿尔比昂(Z-01Z)的MVS双刀流。