彼岸帰航

彼岸帰航

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类型	竹
稀有度	5
属性	体力+50(体力+350) 速度+50(速度+110)
属性每级强化	体力+30 速度+6
画师	くりから
获取途径	国服暂无
特性
使用時に味方全体の速力を2段階アップ (2T) 装備スペカの水属性の威力を20%アップ (1T) 使用時に自身の霊力を1.00上昇	使用時に味方全体の速力を3段階アップ (2T) 装備スペカの水属性の威力を40%アップ (1T) 使用時に自身の霊力を2.00上昇

解说

解说1展开/折叠

【小野塚小町】
彼岸花が紅色の絨毯のように咲き誇る彼岸。風に揺られ、彼岸花の細い茎が、今にも折れそうにゆらゆらと揺れている。
死してここに来た幽霊たちは、ただでさえ未知の死後の世界を前に、毒々しい花に囲まれて、すっかり不安に囲まれてしまっていた。
「霊魂どもー。お待たせー」
そんなところに現れた、赤い髪をした笑顔弾ける彼女の姿を見て、幽霊たちは「天使が来た」と言い合った。
それを聞いて、彼女はパチンとウインクをして、大鎌を見せた。
「いいや、死神さ」

解说2展开/折叠

「いやー、映姫様の小言が長くてさー。ちょっと人里行って団子をつまんでいただけなのに、ねぇ？」
幽霊たちに同意を求めるように、こまねくように手を振る。天使かと思えば死神で、死神かと思えば気さく。
毒気の抜けたような幽霊たちだったが、しかし赤い髪の彼女が船を用意しているのを見て、これから三途の川を渡り、地獄に行くのだと不安に駆られた。
「いやいや、そんなに苦しいことにゃあならないさ。多分……」
ちょっぴり不安そうな幽霊を見て、小町はイタズラっぽく笑う。
「それを決めるのは、お前さんたちの生前の行いと……あとは閻魔様次第だなぁ。ふっふっふ」

解说3展开/折叠

「そういや、名乗り忘れてたね。私の名前は小野塚小町。三途の川の船頭さ。誰から乗る？」
初対面だというのに、人懐っこそうに微笑み、対等に接してくれる小町。
しかし、死を恐れない人はいない。ましてや目の前に大きな鎌を持った死神がいて、これから浮世とお別れとなるならば、なおさらだ。
「そんなビクビクする必要ないって。じゃあ試しに、私にお前さんたちの人生を聞かせておくれよ。閻魔様に聞かせる予行練習だと思ってさ」
小町はのんびりと船べりに腰かけ、幽霊たちを見る。
やがてひとりの幽霊が前に出て、小町の待つ船に乗る。一隻の船が、音もなく三途の川を渡り始めた。

解说4展开/折叠

「あっはは！そりゃあ災難だったねぇ、お前さん！」
小町はカラカラと笑い、親身になって話を聞いてくれた。
どんな話でも箸を転がしたように笑ってくれるので、幽霊も、少し心がほぐれていった。
思えば、長い時間を生きてきた。
まだまだやりたいことはあったが、悔いはない、と。
「……」
まだ三途の川を渡り切っていないのに、長いようで短い私の人生の話が終わってしまった。
その沈黙を破ったのは、お喋り好きな死神ではなく、幽霊（わたし）の声だった。
――船頭の死神、小野塚小町。貴方の話を聞いてみたいな。と。

解说5展开/折叠

小町は、距離を操る程度の能力を持っていると聞かせてくれた。
ではなぜわざわざ櫂を使って川を渡るのだろうか。
そう聞けば、彼女はまた気さくに笑う。
「あの世に帰るお前さんたちを、ハイサヨウナラって送っちゃ、味気ないだろ？袖振り合うも他生の縁、ってやつさ」
それは、私たちに対する慈悲でもなければ、情けでもなく、また同情でもなく、人間では想像もつかないほど長い時間を過ごす、彼女なりの生き方だった。
幽霊をひとりずつ乗せて、船を漕ぐ。
ああ。彼女ほど、船頭が似合う死神もいないだろうと私は思った。
――あの世に、帰る。
船は、音もなく進み続ける。
これは門出などではない。
魂の、帰路なのだ。