来自Break My CaseWIKI_BWIKI_哔哩哔哩
跳到导航
跳到搜索
Sei's special day

隠岐谷 誓
お誕生日にいただいた洋書ですが、
昨夜読み終えました
お茶でもと誘われた昼下がりのAporiaカフェで、
誓はそう切り出して、プレゼントした本をテーブルに置いた。
隠岐谷 誓
ええ。ちなみに、この本の内容について
樹帆さんはご存知ということでよろしいですか?
在間 樹帆
うん。勧めてくれたお客さんから
あらすじは聞いてるよ
隠岐谷 誓
ふふ、ネタバレにならないとわかって安心しました
極寒の地で孤独に暮らしていた農夫は、
運河を隔てた小さな村から助けを求められた。
大寒波により食料と燃料が尽きつつある村のため
農夫は凍てついた運河を渡る決断をするが
農夫はそのまま帰らぬ人となってしまう──
そんな物語だ。

隠岐谷 誓
……村を救おうと運河を渡らなければ、
農夫が息絶えることはなかったでしょうね
隠岐谷 誓
1人では救えるはずもないとわかっていたのに、
なぜ彼は『運河を渡る』という無謀な決断をしたのか
在間 樹帆
農夫の心境について、
読者の間では2つの解釈で割れているらしいね
隠岐谷 誓
ええ。1つは、自分の命をかけてでも
誰かを救える可能性に賭けたという、
『崇高な自己犠牲』
隠岐谷 誓
もう1つは、孤独の中で生き残るより
村人たちと運命を共にすることを選んだという
『自己満足による自滅』というもの
隠岐谷 誓
……運河を渡ろうと考えた農夫の心情が
どちらであったのか、私なりの解釈はありましたよ
隠岐谷 誓
けれど、そこに共感したかどうかは秘密です

隠岐谷 誓
Birds of a feather flock together.
『同じ羽の鳥は群れる』……
ああ、『類は友を呼ぶ』とも言いますね
隠岐谷 誓
私たちは似たもの同士の友人、
ということでしょうか
在間 樹帆
……誓、ご機嫌だね。そんなに飲んでたっけ?

何故、農夫は運河を渡ったのか。
どちらの解釈になろうとも、そこに共感し得るかどうかには
人としての違いが表れると思う。
さっきの口ぶりだと
誓は農夫に一定の共感を抱いたのだろう。
──そうやって気遣いをするところも、
この本に対する“共感”も。
俺とは異なる、誓らしさだ。
隠岐谷 誓
改めて。先日は素敵なお祝いをしていただいて
ありがとうございました
在間 樹帆
どういたしまして。
その本、楽しんでくれた?
誓はテーブルの上の本を手に取り、
ページをめくる。
紙同士のこすれる心地よい音を聞きながら、
穏やかな時間が流れていった。
END