碧蓝回忆录日服文字版/暁射す氷華の嵐
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2021-08-16更新
最新编辑:芙兰朵露琪露诺
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暁射す氷華の嵐
北方連合・某所
ソビエツカヤ・ロシア:
予定より早く来てくれるとは…ご苦労だベラルーシア、急がせてしまってすまなかったな。損傷のほうは大丈夫か?
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
最前線から最大速力で戻ってきたんだ、多少の損傷もやむなしさ。動力系統と砲塔は要点検だが……
今回の行動には支障なしと見た。そういえば、私を呼び戻した張本人は?
ソビエツカヤ・ロシア:
ソユーズなら会合のためピッツバーグに向かっている。今ここを取り仕切っているのは私だ
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
またこの時期がやってきたのか。しかし、あのソユーズ殿が抜け出してしまったなら戦線は大丈夫か?キーロフ?
キーロフ:
大洋でセイレーンが後退している情報もあって、むしろこの機に乗じて反攻作戦をやろうという話が出ているわね。北方連合としてどこまで参加するかも含めて話し合いで解決しなくては
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
戦いに参加しながら、こういう政治の話にも参加せねばならないとな
…ということは、同志指揮官を「あの場所」に連れて行く任務は私が肩代わりしないといけないわけか
ソビエツカヤ・ロシア:
ああ。北方連合に滞在している間に、同志指揮官の指揮能力と思想に関する調査が完了した
陣営を越えた艦船たちを率いる度量、そして海を取り戻すために尽力するところがアズールレーンの設立目的と一番合致している
……そして何よりも、ソユーズとアヴローラさん曰く、メンタルキューブとの親和性や「あの場所」で観測された現象
すべてにおいて同志指揮官は北方連合の秘密を知ってもらう存在にふさわしい、という結論に至った
本来はソユーズ自らが連れて行くつもりだったようだが、彼女がピッツバーグの会合に参加している以上、私たちでやるしかないな
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
そこは解せんな。別にこの2~3日にやらねばならないというわけでもあるまい?
ソビエツカヤ・ロシア:
私も同意見だったが、各陣営…特に四大陣営が反攻作戦に転じた場合、同志指揮官の存在も必要になる
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
………鉄血と重桜までも同志指揮官の参加を要請するとでも?
ソビエツカヤ・ロシア:
いや、そうとは限らない。しかしロイヤルとユニオンからの圧も高まっていくのが現実だ
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
いつまでも愛しき指揮官様を北方連合で遊ばせていてはならない、と
キーロフ:
というか、既に指揮官を迎える艦隊がこちらに向かってるという情報もあるな。そうなったら解放しないと
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
…………はっ。いつ到着する?
キーロフ:
今週中。
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
……切羽詰まってるじゃないか。で、私がすべきことは?
ソビエツカヤ・ロシア:
同志指揮官を「あの場所」に連れて行ってくれ。セイレーンのほうは私の極地艦隊で対処する――やつらも私たちの目的が分かってきて急に防衛を固めているようだ
キーロフ、あなたもベラルーシアと一緒に指揮官の護衛に参加して
キーロフ:
最後のチャンス…どうやら全員本気を出さないとだめみたいね
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
分かってるって
「レイ、お宝探しのゲームはどうやって作るか知ってるかい?」
「お宝以外にね、ゲームを成り立たせるために配役が要るんだ」
「『探索』をするもの、『観察』をするもの」
「お宝の隠し場所を『作る』者――」
「そして、一番大事なのは」
「それぞれの人を出会わせないことだよ」
アヴローラ:
指揮官、北方連合での生活はもう慣れました?
雪の町、白い景色、寒そうに思っていたら意外と暖かい室内、おいしい食事、そして………
アヴローラが飼っている「ピロシキ」との共同生活(?)――
アヴローラ:
ふふ、指揮官ならかわいいピロシキときっと仲良くなれるって思っていましたよ?
時々、北方連合の艦船たちを率いて最前線に出撃することもあった。
アヴローラ:
北方連合の戦況はいつもこんな感じで中々変わらないのです
キーロフ:
そう。極地のセイレーンと数十年も続いている持久戦。そしてその持久戦を戦い抜いてきた北方連合の粘り強さ
それもソユーズが同志指揮官に見せたかったものの一つさ
アヴローラ:
キーロフ、もう出発の時間ですか?
事前の連絡通り、かつて氷山要塞攻略戦で共に戦ったキーロフが北方連合の艦船たちを連れて迎えにやってきた。
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
本作戦の艦隊を率いるソビエツカヤ・ベラルーシアだ。よろしく、同志指揮官
アヴローラ曰く、北方連合の総旗艦「ソビエツキー・ソユーズ」が自分に「見せたいもの」があるらしい
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
そう、同志指揮官に見せたいものがある場所に案内するのが私たちの役目だ
ソビエツカヤ・ロシア:
タリン、「秘密領域」周辺海域の状況は?
タリン:
今のところはまだ大丈夫だけど、あんたたちが向かってくれば間違いなく襲ってくるわね
どうやら今日の自分たちの行動を支援するために、北方連合は目標の場所以外にも陽動を仕掛けているようだ
チャパエフ:
タリンたちならセイレーンが来ても対処できるわ。ロシアと私もこれから別の場所でちょっかいを出してやろうかしら
タリン:
そうしてくれると助かるわ。量産型ならともかく、例のオミッターとかいうやつが急に出てきたらこちらもきついの
「秘密領域」で戦闘するハメにならないよう早く出発しなさい
キーロフ:
ああ、すぐにでも出発する
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
同志指揮官と同行するのは私とキーロフ、そしてグレミャーシュチ――タリンと合流して「秘密領域」に入る
ロシアたち極地艦隊が「王冠」方向でセイレーンに攻勢を展開し、敵の注意を引きつけてこちらの作戦行動を支援する。皆、分かったか?
グレミャーシュチ:
同志指揮官を守る。うん、そんなとこ
チャパエフ:
オミッターの動向は確かに心配だけど、本気を出して指揮官よりこっちのほうに注目せざるを得ない、という状況を作るしかないわね
タシュケント:
行き当たりばったりに見えちゃうけど、ちゃんと前から準備してた作戦だぞ。同志ちゃん
ソビエツカヤ・ロシア:
こちらも同時に出発する。同志指揮官、往路に気をつけて
心なしか北方連合に滞在するよう求められたのは、この作戦のためのような気がした。
アヴローラ:
――皆と指揮官の無事を祈りますわ
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
まだ状況をよく把握できていないような顔だな。どうした?
今回の作戦で艦船たちを率いる戦艦、ソビエツカヤ・ベラルーシアに問われ、作戦前に渡された情報を思い出す。
……確かに「秘密領域」という場所に向かい調査する、というのが本作線の目的なのだが、渡された情報にはそれ以上詳しい内容が書かれていなかった。
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
なるほど、同志指揮官にはその程度の情報しか渡っていないのか。まあそれも無理ないことだ
なにせ最高レベルの機密資料だ、北方連合所属ではない同志指揮官に紙面では渡せないのだ
だが口頭でならいくらでも説明しよう。そうだな、どこから始めればいいか
キーロフ:
「メンタルキューブ」で作り出された最初の艦船、という話から始めようか
……いきなりとんでもない話題を出された。
キーロフ:
一般的には「人類がメンタルキューブを発見し、そしてアズールレーンを結成して、メンタルキューブを使って艦船を作り出した」ということになっているが
もしそれは事実ではない、と言われたらどうする?
北方連合にやってきて(キーロフが自分を試して正体を隠していたことも含めて)色々新しい発見をしてきた自分だが、流石に今の発言には大いに驚かされた。
「メンタルキューブ」によって生み出されていない艦船もいるのか?
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
ははは!いまのは流石にビックリしたか。いや、艦船はメンタルキューブによって生み出されたものだ、その事実に疑いようがない
………………なら、どうしてこの話を…?
キーロフ:
ソユーズが同志指揮官に見せたい「秘密領域」――私たちがそう呼称している海域には「艦船」の出自に関わる情報がある
…正確に言うと「あると見ている」
理由は簡単だ。同志指揮官も知っての通り、数十年前、セイレーンによる侵攻で人類はほとんどの制海権を奪われた
やがて四大陣営を中心にかつてのいざこざを水に流し、「アズールレーン」を形成して、セイレーンの対処をし始めた。
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
そうだ。だが人類の戦力が急にセイレーンに対応できるようになったのは、各海域の「謎」を発見してからだ
セイレーンに関する初歩的な情報と、科学技術の進歩を促す資料を手に入れた人類は、技術革新が急速に行われた
そして、ついにセイレーンに対抗する切り札である「メンタルキューブ」の開発に成功した……?
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
流れとしてはその通りで間違いない。しかし「秘密領域」と「メンタルキューブ」との関係性は今になっても全くの不明だ。
同志指揮官に見せたいのは、その「秘密領域」がいかなる場所か、そして今はどうなっているのかだ
…………楽しい旅になりそうだ。
――――!!
グレミャーシュチ:
量産型のセイレーンを倒した、もう進んで大丈夫
ソユーズとアヴローラから教えてもらった航路を辿り、仲間たちとともに「秘密領域」へと向かう。
选择项1:自分を護衛する艦船は――
选择项2:あの鉄球を振り回してた艦船は――
グレミャーシュチ:
北方連合所属、駆逐艦グレミャーシュチ。うん、そんなとこ
キーロフ:
「近衛艦」に受勲されたカンレキを持っているだけあって、戦力は北方連合の駆逐艦の中でもピカイチだ
初めて氷山要塞で北方連合の仲間たちと出会ってから結構時間が経ったな…
选择项1:まだ知り合っていない仲間たちは――
选择项2:新しい仲間たちは――
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
なにせセイレーンとの戦いが日常的に「続いている」からな。同志指揮官が最前線に何度か顔を出した程度では全員と会えないよ
戦いに参加したおかげで何人かと知り合ってきたが、まだまだ自分の知らない艦船がいるのだ。
グレミャーシュチ:
(じーーー)
キーロフ:
実は同志指揮官と知り合いになりたいという子は多いぞ。このグレミャーシュチだって今回同志指揮官見たさで護衛を買って出たからな
グレミャーシュチ:
べ、別に……そんなとこ…
普段どこで戦っているか聞いてみた。
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
グレミャーシュチは普段は別の戦線だが、今回は特別に任務に参加させた。本人のせっかくの希望に応えなくてはな。ははは
キーロフ:
……つまりベラルーシアの独断だ。まあその程度の人員異動で前線が破れることはないだろう
経緯はともかく、自分の護衛役に来てくれたのは――
选择项1:ありがたいがちょっと申し訳ない
选择项2:今は好意に甘えよう
グレミャーシュチ:
(选择项1)…ありがたいことだが、少し申し訳無さを感じる。今は好意に甘えるが、作戦が終わったらきちんと感謝しないと
(选择项1)そんな中でも、率先して偵察と露払いを引き受けてくれたグレミャーシュチにはきちんと礼を言おう
(选择项1)頑張ってくれている彼女の姿をもう一度視界に収めようと――
(选择项1)さ、さっきからジロジロ見てきて…指揮官って変質者かなにか?
(选择项2)…………
「秘密領域」近海
ムルマンスク:
北方連合所属、「秘密領域」の見張りを担当しているムルマンスクといいます~よろしくおねがいしますね、指揮官~
遠くから交戦の音が聞こえているにも関わらず、絶妙に緊張感のない艦船が通信で出迎えてくれた。
ムルマンスク:
多分指揮官たちが来てくれたからでしょうか、セイレーンもこの近くに集結し始めていますね
今タリンが対応しているから、攻勢が大きくなる前に来てくださったら問題ないと思いますよ
キーロフ:
氷山要塞の一件から同志指揮官への警戒が引き上げられたってわけね
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
やつが踊ってくれたということはそれだけこの作戦には価値があるってことさ
キーロフ:
それには同感だが、ただ向かってくる艦隊に迎撃しているだけにも見える
ロシアたちのほうも攻撃している以上、こちらに向けてくる戦力は全戦力ではない
ここで一度、集結中の艦隊を叩けば、「秘密領域」での探索時間も確保できるはずだ
选择项1:同意する
ムルマンスク:
タリンも同じ意見ですよ~カッコよく「ここは任せて」と言いたいところだけど、背に腹は代えられないというか…
うん、このままセイレーンが集結したら苦戦すること間違いありませんね~
选择项1:ならばここでセイレーンを叩くしかない
选择项2:戦闘の先導は任せた
(选择项1)そうですね。指揮官、こちらに合流してきてくださーい
(选择项2)了解しました~謎解きの探検も楽しみにです~
タシュケント:
タシュケントたち、作戦海域に到着したわよ。今セイレーンに陽動攻撃をしかけているわ
オミッターはまだ見かけていないけど、このまま戦えば絶対引きずり出せるはず
同志ちゃんのところはどう?
タシュケントたちのおかげで、こちらのセイレーンはまだ集結が終わっていないようだ。
タシュケント:
あっそ。同志ちゃんのことだし心配いらない感じね。タシュケント、通信を切るよ
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
オミッターが出てこない以上、こちらも安心はできないな
キーロフ:
セイレーンの本陣近くでの戦いだ。思い通りに動いてくれることはそうそうないだろう
グレミャーシュチ:
でも時々すごく馬鹿そうな動きをするじゃない?セイレーン
例えばグレミャーシュチがふん!と鉄球を振り回してもそのまま突っ込んできてやられたりして。うん、そんなとこ
ムルマンスク:
そこは量産型と人型で差があるのではないでしょうか…?
ムルマンスクたちと合流している最中、今までのセイレーンの行動パターンを思い浮かべる。
確かに、量産型のセイレーンは指揮中枢さえ健在なら統率のとれた戦術行動を見せてくることが多いが…
ムルマンスク:
大体は人型のセイレーンを倒せばほかのセイレーンも統制を失ってますね
逆に言えば、指揮する者さえいなければこちらの量産艦同様ただの機械だ。
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
だから人型を向こうに引きずり出させる必要があるのだよ。こっちにこられてはセイレーンの戦力が数以上に強化されるから困る
まあ、実戦では人型がどこかに隠れて量産型を操作していることも多いがな
ムルマンスク:
指揮官はセイレーンの人型個体と何度か会ったことがあるんでしたっけ?
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
あるそうだ。ユニオンでも「ピュリファイアー」とやらと
グレミャーシュチ:
でも同じ人型なのに言葉を喋らない子がほとんど。うん、そんなとこ
キーロフ:
それに鏡面海域で作り出されたコピーのこともあるな
………
选择项1:人型の個体といえば――
选择项2:艦船と共通している部分が――
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
(选择项1)ん?「人型であることは艦船と同じ」って?その考え方は斬新だな
(选择项1)あの人型セイレーンたちの外見は私たちに接近するための偽装、とでも言うのかね…?
(选择项1)そこはキーロフのほうが専門だな。ほら、外見とか情報とか
キーロフ:
(选择项1)その筋は前々から考えられていたよ。セイレーンが出現したときから、なぜ「ヒトの形をしているのか」ということが
(选择项1)艦船たちが生み出される前から人型のセイレーンが出現していたことから、「偽装」という線は考えられないな
キーロフ:
(选择项1)あえて威圧感をもたせるなら、私達と同様にあんな華奢な体格にする必要などないはず
(选择项1)ふむ…
ムルマンスク:
(选择项2)女の子であることと、「艤装」をまとっていることですね…?セイレーンが持っているのは「艤装」と言えるのでしょうか…?
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
(选择项2)海洋生物と似ているが、あの作りは自然にできたものとはとても思えないがな
(选择项2)もしセイレーンも艦船と同じ「生み出された存在」だとすれば、その創造主たるものは相当な技術力を持っているに違いない。
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
(选择项2)しかし、艦船と共通しているところか……
(选择项2)おそらく「ヒト」という存在を知り尽くしているんだろう。
キーロフ:
同じ「言葉」を発し、「ヒト」の顔と躰を持つ、「艤装」を装備し戦うために生まれた存在
あまり認めたくはないが、共通点を考えれば正直キリがないね
ムルマンスク:
あと、完全な機械である「量産艦」を操れるという点もありますね
グレミャーシュチ:
うん、そんなとこも
ムルマンスク:
……………流れ的にここはあまり「セイレーンはお友だち」と言わないほうがいいですよね…
あ、そういえば「セイレーン」はなんで「セイレーン」と呼ばれているのでしょう?
グレミャーシュチ:
?セイレーンは「セイレーン」でしょう?
キーロフ:
こっちもずっとのその認識だな。上層部の資料にもそう書いてあったし、単なるコードネームだろう
ムルマンスク:
ふと気になりましたけど、なんで「リヴァイアサン」とか「アビス」とかじゃなくて「セイレーン」でしょう?
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
人型だから?
(まあ、そう考えられるな…)
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
にしてもムルマンスクは今日はたくさん質問してくるな。さては観察対象が小動物から百科事典にでもなったのかな?
ムルマンスク:
本とにらめっこ?んー、それもいいかもしれませんね~~
本を積み上げたり散らかしたり、抱っこして匂いを嗅いだりして…
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
いや、読書のことだが
(この話題の続きは「秘密領域」に到着してからにしよう…)
タリン:
…ふぅ。あんたが指揮官のようね。北方連合所属の重巡タリンよ、今日はあんたじゃなくてベラルーシアの指揮下に入るわ
この子はムルマンスク。もう通信で会ってると思うけど
ムルマンスク:
Здравствуйте、指揮官~ふふ、やっぱり通信より直接見たほうがはっきり見えますね~
タリン:
そしてこの子はグロームキィ、今日は私達と同行するわ
グロームキィ:
はじめまして同志指揮官!北方連合所属のグロームキィよ!今日はよろしく!
タリン:
ロシアたちが動いているのにまだこんなに戦力を寄越してくれるなんて…まあ、「秘密領域」のほうに被害はないわ
又聞きとはいえ、一応あんたの指揮能力は聞き及んでいるわ。合流を決断してくれたのは英断ね
自分は意見を出しただけだが、認めてくれるのは素直に嬉しい。
タリン:
浮かれるな、事実を述べただけよ
……やはり手厳しいな。
「秘密領域」の場所を聞くことにした。
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
ああ、「秘密領域」はここだぞ
……あたりを見渡しても、特に景色が北方連合の極地海域から変わったわけでもない。
浮氷に氷山、微かに降っている雪、白一色の空。
「研究施設」とは聞いていたが、人工的な建築物がどこにも見当たらない。
……「秘密領域」が「ここ」という意味は一体…
タリン:
指揮官に何も言ってなかったの?
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
私達が初めてここに入ったときに受けたインパクトを味わってもらいたくてな。タリン、指揮艦の準備はできたか?
タリン:
こっちよ。そろそろ出てくると思うけど
専用の指揮艦が必要というわけか。しかし、そんなものはどこにも…
グロームキィ:
同志指揮官!空を眺めるんじゃなくて、氷の下に注目だよ!
氷の下…?
――――――!!!
乗っている量産艦にもなにか巨大な存在が浮かび上がった衝撃が伝わってきた…!
――――――
これは………潜水艦!?
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
ははは、潜水艦の指揮艦は初めて見るだろう!同志指揮官!
潜水艦というだけでも驚かされたが、分厚い氷を突き破って浮上したその姿に圧倒された。
圧倒的な大きさ、そして黒いクジラを想起させるかのようなフォルムからとこどなく北方連合の美学を感じた。
この鋼鉄の巨獣?いや、巨魚が「秘密領域」を導いてくれる指揮艦というわけか。
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
北方連合は気候の関係であまり潜水艦が得意ではなくてね
普通の量産艦よりこの砕氷機能を付け加えた特殊潜水指揮艦で同志指揮官を北方連合の「秘密領域」に連れて行くことにしたよ
砕氷機能を有する潜水艦はたしかに他の陣営でも聞いたことがないな…
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
まあ、ここまでの大きさがあるのは北方連合の潜水艦のノウハウ以外にも理由がある
実はここの「秘密領域」は水深が深いところにあってな。そこにたどり着くには普通の潜水艦ではそもそも無理だ
今回のように何人も同時に運ぶこと、水圧に耐えられる強度に乗客の居住性、自衛用の兵装、そして動力機構を考えた結果
……ほら、この形になったってわけだ
私は北方連合らしくていいと思うが、同志指揮官の眼鏡にかなうかどうかは知らんな
……待て、今「何人も乗せる」と聞いたが、もしや――
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
そうだ、私達も乗るんだぞ
…………
タリン:
あんな深度に行くのはいくら艦船でも無理でしょ。この艤装は基本海面上の行動でしか想定されていないわ
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
ほら、指揮官、早く指揮艦に乗って出発しよう
キーロフ:
同志指揮官、到着したぞ
潜水指揮艦に乗って少し経ったところで、どうやら目標地点に到着したようだ。次は潜水服にでも着替えるのかな…?
キーロフ:
環境確認…よし。皆、ハッチを開けるぞ
……え。
キーロフ:
大丈夫だ同志指揮官、すぐわかる。なにせここは海中の「鏡面海域」みたいなものだからな
海中の……「鏡面海域」!?
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
同志指揮官!我が北方連合の「秘密領域」にようこそ!
ハッチから身を乗り出すと、まるで映画や小説に出てくるような海底遺跡が目に入った。
正確には「海底にある水上氷山」言うべきか、不思議な球体が周りの海と隔離空間を作り出し、
さらにその中に「山脈」を丸ごと海水の上に浮かばせているという、
……一言で言えば「わけのわからない」場所だ。
キーロフ:
相変わらずすごい眺めだな。ここは
タリン:
指揮官も流石に言葉が出ないみたいね
ムルマンスク:
うんうん、いつ見ても飽きませんね~任務さえなければずっとここで色々観察してみたいです~
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
おいおい、のんびりと感想を述べている場合じゃないぞ
研究施設からまだ距離がある。皆、指揮艦を中心に護衛陣形を組んで、研究施設に向かうぞ
ハッチから身を乗り出したまま、連なる山脈を眺める。
タリン:
ここの氷山って、一番高いもので百メートルくらいあるらしいわ
表に出ているのだけでそれだけ高いなら、「海」の下にあるのも入れたらどこまで大きいのかしら。きっと何かしらの力で上の部分だけ浮かべているのでしょうね
考察をしてみたいものだが、ここが「鏡面海域」と同じく異常空間であることを思い出した。
グロームキィ:
そうそう!鏡面海域だから、セイレーンの防衛機構みたいな変なやつも出てくるよ!
定期的に調査しがてら、やつらの数を減らしてはいるけど、おかしいことに数が一向に減らないの!
それとあの氷山も、攻撃で流れ弾が当たっても、次来たときには元に戻ってるよ!
………自己修復している…?
ムルマンスク:
研究の一環として、氷山そのものも攻撃してみました。そしたら…
例え氷山を「沈め」ても、次に来たときには元通りになってましたね~
キーロフ:
セイレーンの鏡面海域はすべての海に発生しているから、私達もすべてを把握しているわけではないのだが
北方連合に限って発生した鏡面海域で言えば、この「秘密領域」の鏡面海域はどの海域のそれとも違う
進入も脱出も割と自由だし、「海の上」だと考えれば気象情報そのものに異常はない。なによりこの海域で「実験」が行われる様子もない
仮説に過ぎないが、この鏡面海域は放棄されたものなのか、それとも実験場でも工場でもない別の「なにか」か
放棄された鏡面海域……?
タリン:
実際北方連合もこの海域を偶然発見しただけだわ
なにもない海の中にこのような巨大な空間があって、しかも周りにはセイレーンも出現させて
並の調査隊ならたどり着く前にやられちゃうわ
まあ、もしかしたらほかの陣営にも似たような場所があるかもしれないけど
キーロフ:
鉄血か?あそこの研究はセイレーン艦船のリバースエンジニアリングだけではとどまらなかったな
セイレーンが初めて現れたあの大戦でも、鉄血は第一波の攻撃を大して受けなかったのに、結局セイレーンに喧嘩を売って大打撃を受けていた
タリン:
あの子たちはセイレーン技術に並ならぬ興味を持ってたらしいわね。鏡面海域そのものを手に入れていたとしてもおかしくないわ
こっちはこっちで分析を行っているけど
そういえば、「実験」が行われるかどうかで言うなら、たしかにバミューダや運河要塞のは「実験」かと言われればそうではない気がする。
なら、この「鏡面海域」は一体何のために存在しているのか。
タリン:
もしかして単純に何かを隠すためじゃない?アトランティスとか謎の大陸とか、オカルト好きが食らいつきそうな
それなら筋が通る。
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
ソユーズたちも同意見だ。だからこそ同志指揮官に見せることにした。そして同志指揮官にも「見せてほしい」のだ
自分が何か「見せる」……?
疑問を抱きながら、艦隊は更に奥へと進んだ。
グレミャーシュチ:
セイレーンの防衛機構ね
ムルマンスク:
本当に数が一切減らないのですね…
セイレーンの量産艦が周りから続々と出てきた。
キーロフ:
ここの量産艦はずっと変わらず、数十年前のもののままらしい
こいつらと戦うと、なんだか前の大戦で頑張ってた艦船たちのことを思い出すな
……今はそう懐かしんでいる場合じゃないな。蹴散らすぞ!
セイレーンの防衛機構を撃破し、とある巨大な氷山の足元にたどり着いた。…どうやら研究施設はこの氷の「山脈」の中にあるようだ。
キーロフ:
ここだ。ソユーズがあなたに見せたい「場所」
今は艦船の力をもって、道中の防衛機構を撃破しながら安全に進めるが…
昔はこの深度に潜るだけでも相当苦労したものだ。北方連合の先人たちを思うと感傷的にもなる
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
ここで回収した情報と技術があって、今の北方連合がある
いや、それだけでなく、もしかしたら今の人類もこの場所のおかげで生き延びれたのかもしれない
…………そこまで重要な場所なのか。
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
ここから先のあらゆるものはすべて我が北方連合の最高機密であり、ソビエツキー・ソユーズ、アヴローラ、そして艦船の総意により同志指揮官に開示する
……!!
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
この行動は上層部の意志ではなく、北方連合の艦船の意志であり、艦船と指揮官の情報取扱のルールに基づくのではなく、人類に奉仕し・青き航路を守る我が存在意義にして最高使命に基づくものである
よって、同志指揮官には、見聞きおよび入手したあらゆる情報の適切な取り扱いを願いたい
(無言で頷く)
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
よし、最後に同志指揮官にこれを教えよう
我々北方連合は、セイレーンが海からの存在ではなく、別の場所ないし「世界」からやってきたと考えている
奴らは前の大戦から闇に潜み、社会に溶け込み、各陣営の間の紛争を引き起こしてきた
鉄血と重桜のレッドアクシズ形成、アイリスの紛争、これらのすべてはセイレーンが裏で操っていると考えている
そして北方連合も間違いなくセイレーンの罠に嵌っており、このままでは破滅の道を辿るだろう
エンタープライズやエリザベス、ビスマルク、赤城。もしかしたら彼女たちもこう考えているのかもしれない
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
艦船たち…いや、人類はもともと相争うべきではない。セイレーンに踊らされている現状は決して是としない、と
この現状を変える鍵はこの研究施設の奥にあり、そして鍵を手に入れられるのは――
同志指揮官、貴方一人だけだ
「秘密領域」の研究施設の奥にある秘密を手にする――それがソユーズとアヴローラたちが自分を連れてきた目的だ。
キーロフ:
そう。この研究施設の奥にある「扉」を開けられるのは同志指揮官だけだと信じている
…まあ、この施設を発見してから数十年、目の前の制御装置と「扉」がある施設以外は大体調べ尽くしている
残りの手がかりがあるとすれば同志指揮官、あなたとメンタルキューブのことだ
キーロフが指している方向を見ると、そこには謎の台座があった。
タリン:
まるで「メンタルキューブをここに置いてください」と言わんばかりの装置ね
台座を軽く調べると、メンタルキューブをピッタリ入れられる凹み以外何もなかった。
しかし、この謎の装置をいきなり操作してと言われても躊躇うが…
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
無理にとは言わないが、私達もここで手詰まりなのだ
手詰まり?
タリン:
施設内部の走査、装置の破壊、氷山の解体、ありとあらゆる手を使ったわ
タリンはそう言いながら自分でメンタルキューブを凹みにはめ込んだが、何も起きなかった。
キーロフ:
見ての通り、残りの道は「同志指揮官に操作してもらう」しかないのだ
強引にこんなことをさせてすまないが、メンタルキューブとのつながりがあって、かつ完全に信頼できる人はあなたしかいない
期待の視線を寄せられ、肩の荷が一気に重くなったように感じた。
だが、メンタルキューブという未知の存在に自分がどれほどつながりを持っているかは……
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
そう難しいことはない。私達はメンタルキューブによって生み出された存在、そして私達は同志指揮官との絆で強くなる
そしてこの上昇幅はコンディションの影響をも越え、「理論上の最大値」を上回り、セイレーンたちが言ってた「覚醒」に近い………
結論から言うと、自分がキューブ…そして彼女たちとの「絆」によって、何かしらの影響を与える能力があることが分かった。
タリン:
それでもわからないというのなら、ここは北方連合という存在がこの扉の前で如何にか弱いか見せてやろうじゃない
グロームキィ、あの「扉」を主砲で撃って
グロームキィ:
了解!これがどれだけ堅いのか同志指揮官に見せちゃうぞ~
――――――!!!
至近距離の主砲射撃。いくら硬い扉だろうと無事であるはずは――
タリン:
ほら見たでしょう。かすり傷一つもつかないわ
もちろん他の方法も試したわよ。爆薬を直接設置したり化学効果を用いたり高熱源を近づけてなんとか融かそうとしたけど
結局無理。中に入る手段はこの装置を何とかするしかない
やっぱりここは自分でなんとかしないと。
ムルマンスク:
あれ?この台座にこんな変な模様なんてあったっけ…?
タリン:
模様?ちょっと見せて、前回ここに来たときはこんなものはなかったわ
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
つまり同志指揮官の存在がこの場所に何かしらの変化をもたらした
…と言いたいところだが、これは限りなく傍証から遠いものだ。私たちの記憶違いかもしれないし、もしかするとなにか別の要因かもしれん
しかし同志指揮官!それでもいいというのなら――
心を決め、ベラルーシアからメンタルキューブを受け取った。
选择项1:メンタルキューブを台座に嵌める
グレミャーシュチ:
!!!
グロームキィ:
台座が光りだした!
はめ込んだメンタルキューブは台座の上に浮かび上がり、微かに響いた機械の雑音とともに光の塊へと変化した。
タリン:
メンタルキューブの実体がなくなって「光」に…?
キーロフ:
ソユーズの予想が当たったな。ベラルーシア
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
ははは!同志指揮官、早く「扉」に何か変化がないか見に行こう!
「扉」と言われている氷塊が融け、やがて広々とした通路が目の前に現れた。
先々まで伸びた通路を進み、氷山山脈の外側の氷山を通り越したところで――
………氷山の奥には「光」で構成された都市が広がっていた。
キーロフ:
これは………予想外だな…
グロームキィ:
キレイ…………
ムルマンスク:
来る途中の氷山はこれを隠すためにあるのですね…
まさか氷山の中に都市が隠されているなんて
タリン:
そうね。さすがにこれはソユーズも想像できていなかったでしょう
指揮官を連れてきたよかったわ。全く
光のスカイスクレイパーを眺める。セイレーンの施設ではなく、むしろ人間の町にあるような形状の建物だ。
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
これはたまげた。ユニオンでさえこんな壮観な建築群はないぞ
しかも実体がないただの光だぁ?蜃気楼のアトラクションならいい趣味だと評価してやろうじゃない!
さて、もはや未知の領域に足を踏み入れたのだが、私から提案がある
同志指揮官、ここからはお前が皆を指揮してほしい!私たちを導き、この場所の秘密を暴いてくれ!
………もちろんだ。ここまで来たら後に引けない
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
皆、同志指揮官に続け!
鳴り響く耳障りな警報音。硝煙の匂い。熱を帯びた濁った空気。
………NYシティのすぐそばまでやってきたのか。
なぜ自分がここにいるのか、そもそも自分が何をしているのかが分からない。
??:
なぜまだここにいるの?!
彼女たちとサモスに行くんじゃなかったの?ひとりで残ってるなんて――
选择项1:自分は――――
懐かしき「博士」の声がする。
??:
反撃が失敗に終わったの。ここが落ちるのも時間の問題よ
…わがまま言わないの。だからあんたをサモスに行かせるんじゃない…
…今のはただの一時しのぎね。でももう限界。ヤツらはすぐまた攻撃してくる。そうなったら一巻の終わり。計画通りだけど
計画のことはあんたも知ってるじゃない。確か賛成…いや反対?でしたっけ…うぅ、最近ちょっと忙しすぎて物忘れが激しいわ…
とにかく、ここにいるって言われても困るわ。あんたはあっちにいるべきよ
私なんかよりはあっちのほうが……もう、最終便が残っているか確認するわね
「早く行け、ここはもう無理だ」
「ゲホゲホ…お前との約束も…ここまでのようだな……」
……………………?!
??:
もう、せっかく船まで案内したのに、ほらさっさと乗って!戦闘に巻き込まれちゃうでしょう!
…………………………………………
选择项1:彼女たちはきっと助けに戻ってくる
??:
そう?計画通りならあの子たちは敵と戦ってそのまま別の合流地点に行くんだよね…
彼女たちが戻れば、あなたは……
??:
嫌よ。もともと彼女たちに見せたくないからそうしたのに
だから―――――
选择项1:一緒に逃げよう
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
同志指揮官、大丈夫か?
………どうやら急に気を失っていたようだ。
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
空気が薄くなったせいだろうな。艦隊は今「光の都市」に向かっているぞ
あれ?さっきまでは別の場所にいたような…
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
その通りだ。あの都市まで進もうとした直後、急に皆が離れ離れになったが今は合流できている
そして幸いなことに同志指揮官をこの潜水艦のデッキで発見できたというわけだ
选择项1:世話をかけた
気にするな。むしろこんな危険な場所に連れてきた私たちのほうこそ詫びなければ
指揮を任された以上、艦船…彼女たちと一緒にいたいものだ。
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
今のは私も惚れるかっこよさだったぞ。はははは
タリン:
指揮官だけじゃないわ。私たちもさっき一瞬目眩に襲われたの
グロームキィ:
まだフラフラする…なんだったのさっきのは…
キーロフ:
本丸にさえ入っていないというのに手荒い挨拶だな、全く
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
鏡面海域だからって一言で片づけては何だが、流石にどこからかもわからない攻撃を放置したままではいられないな
ムルマンスク:
……あっ。これは……
タリン:
氷山が復元されている?
グレミャーシュチ:
本当だ。あの変な光に照らされたら元に戻ってるわ
グロームキィ:
でもそれを操っているのが変にうねうねしている機械だよね!
キーロフ:
上手く利用できればもしかしたらここの防衛機構を倒してくれそうだ
まあ、何回も利用したら敵も我々に気づいてしまうがな
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
気をつけて進むことだ。同志指揮官、采配は慎重に頼むぞ
グロームキィ:
♪~
グロームキィは上機嫌のようだ。
グレミャーシュチ:
…………(じーーー)
グレミャーシュチは相変わらずいつもジト目でコ・チ・ラを観察している。
グレミャーシュチ:
さっきからまたチラチラと見てきたね。……なにか用?
グロームキィ:
グレミャーシュチ、同志指揮官に冷たいよ!どうして仲良くしないの?
グレミャーシュチ:
グレミャーシュチはただの護衛担当だから別に。仲良くやる必要もないけど。うん、そんなとこ
グロームキィ:
つれないなー。同志指揮官!なにかわからないことがあったらいつでも聞いてね!グレミャーシュチのことも大丈夫よ!
グレミャーシュチ:
ふん。……まあ、そんなとこね
グロームキィ:
また照れちゃってー
グレミャーシュチも本当は同志指揮官と仲良くなりたいんでしょー?
…………二人は仲がいいんだな。
グロームキィ:
もちろん!もともと同じ艦隊で色々頑張ったから、今回もまた同じ作戦に参加できて嬉しい!
グレミャーシュチも嬉しいよね!ね!(ぎゅっ
グレミャーシュチ:
わ、わかったから急に抱きつかないで…(むぎゅっ
グロームキィ:
だめだよ!久しぶりに会ったからグレミャーシュチのこのもふもふに抱きつきたいもん!(もふもふ
グレミャーシュチ:
…………………(もふもふもふ
…………なんか埒が明かないな。
キーロフ:
おっ、戻ったか同志指揮官。一ついいお知らせだ!
ムルマンスク:
ここの制御室?っぽい場所を発見しました~もしかしたらお宝があるかもしれませんよー
キーロフ:
ああ。上手くいけば、安全に脱出できる道も見つかるかもな
???:
この案でいけば確かに上手くいくかもしれん
だが、作戦を完遂するには撹乱装置が稼働し続けることが必須だ。その間に人員の撤収と防衛を並行して行うとすると…
……………
????:
わしらは承知の上で提案したのだ。「審判者」、いやオースタ博士
オースタ:
……ああ。しかし演算機械の損傷状況も無視できん。軍の協力はありがたいが、残った戦力で果たしてどれだけ時間を稼げるか
「曙光」が潰えれば、時間跳躍装置の作動も止まる。「楔」に送り届けた端末の数が足りなければ演算の結果に影響を及ぼしてしまうのだ
??:
……私も時間稼ぎを手伝うわ
オースタ:
……アンジュ博士?
アンジュ:
あの子たちに言葉を送り届けてたら、もう向こうに気づかれちゃった
だから私から向こうに接触すれば、きっと向こうの注意を引きつけられるはずよ。その間に将軍の作戦をやるといいわ
オースタ:
……死ぬぞ
アンジュ:
ふぅ…あんな大失敗をやらかしたし、生き残ってもどうせ責任を負わされるんでしょ?せめて自分のできることをやり尽くしたいわ
オースタ:
分かった。君のKAN-SENたちは好きに連れていけばいい。だが可能ならコードGだけは私のアンチエックスと同行させてほしい
アンジュ:
問題ないわ。エンタープライズだけでなく、生き残ったみんなをあんたのところに預けるわ
ただし、合流地点はできるだけNYシティより遠くに設定して。決して戻らせないように
オースタ:
…そうか。お前がいないと、私だけで彼女たちを上手く制御できる自信はないな
アンジュ:
そこは聡明で冷徹な審判者サマらしく、あの子たちに大義と責任を叩き込んでおくしかないんじゃない?
……あんなことが起こったとはいえ、私たちの目的は一緒よ。そしてあなたのやっていることは正しいと思うわ
彼女たちにはそれを受け入れる時間が足りなかったけど、きっといつかあなたのことを分かってくれると思うわ
ええ、きっとそうよ――
グロームキィ:
なんだか雰囲気ががらりと変わったね
タリン:
ここが「制御室」で間違いないわね…セイレーンの施設とも今まで見てきたどの施設とも全然作りが違うわ
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
我々北方連合の軍事施設みたい、とでも言えるだろうか?正直私も同感だ。ただ、どちらかと言えばここは「制御室」というより「司令部」っぽいな
キーロフ:
ベラルーシア、このシンボルは見たことあるか?
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
全く無いな。…つくづく面白い場所だな、ここは
グロームキィ:
この先に部屋がいっぱいあるよ!中に入って探索してみる?
ムルマンスク:
誰もいなさそうですし、ちょっと邪魔しても怒られませんよね~
それにここを探索しなければ帰る道がわかりませんし…うぅ…
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
私も探索するのに一票だ。ここまで厳重に守られた施設だ、機密情報が山ほどあってもおかしくないだろう
例えば、もしかしたらこの鏡面海域の制御装置を発見できるかもしれないのだぞ
………しかし、全部調べるのは骨が折れるな…
広そうな場所から調べたほうが良さそうだ。
キーロフ:
司令部なら、会議室や資料室、それと作戦を発令する指揮室があるはずだな
グロームキィ:
…それっぽい部屋ならこの先にあるよ!
謎の施設の広間に足を踏み入れた。
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
……………これは……
タリン:
とある戦闘の配置図ね。この「島」を守る側が作成したものみたい
キーロフ:
ああ。中の星マークの場所から何重も海上防衛線を張っている。どうやら死守するつもりだったらしい
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
小さな島に海上戦力で防衛戦を繰り広げる、あまりいい作戦とは思えないな
キーロフ:
同感だ。周りにも小さい島が何個かあるが、どこまで粘れるか楽観視できない
同数ならまだしも、この配置図のマークを見る限り、攻めてくる敵の数は少なく見積もっても数倍はいるから
ムルマンスク:
「今回の作戦の要旨は島の施設の『絶対防衛」であり、敵の上陸を近海にて阻止するのが目的であり……」
「たとえ何倍もの敵が襲ってこようと、決して一歩も引かず、降参することも撤退することもなく防衛線を死守する……」
「艦隊の速力を生かして反撃を繰り出す。たとえ数の劣勢を覆すことができなくとも、時間を稼ぐことはできる……」
「作戦の進行状況は思いのほか順調だ。一方的に圧殺されるだけだろうと思っていたが、敵の戦力の一部がほかの戦線に引き抜かれたのが幸運だった」
「これで残った戦力で最後の一秒まで粘り続けられる」
「我々は全力を尽くした。諸君の健闘と犠牲に感謝する」
…………大変、ですね…
キーロフ:
推移を見れば概ねそんな感じだろうな。ムルマンスクが真面目に話すのがとてつもない違和感だったが
ムルマンスク:
そうですか…?
……ん?グレミャーシュチ、どうしたの?
グレミャーシュチ:
…………………ぐっ
なんだか見られている気がしない?
グロームキィ:
ほえ!?わわわわたしは別にそんな気しないけど!…って言われたら本当に見られてる気がするじゃないっ!
ムルマンスク:
……私は別になにも感じませんよ…?
言われてみれば確かにこの部屋はちょっと「違和感」が――
ムルマンスク:
あ、なるほど~
誰もいないというのに、なぜか機械は普通に動いてて、まるで『人が急にいなくなったー』みたいな感じですね~
なんというか…お化け屋敷っぽい?
キーロフ:
遊園地じゃあるまいし、そんなわけないだろ。おばけに出くわしても北方連合の革命戦士は怯まんぞ
しかし、グレミャーシュチだけでなく同志指揮官まで同感なら、やっぱり何かがあると思ったほうが良さそうだ
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
皆、集団行動だ。こういうときに分散していると一人ずつ危ない目に遭うのがお決まりだぞ
謎の施設を探索し続ける。結構大きな施設だが、大きい部屋だけに絞ればなんとか回れそうだ。
グロームキィ:
同志指揮官、ここにもお宝を見つけたよ!
选择项1:礼を言う
どういたしまして!よし!次はあっちの部屋を冒険するよ!
ムルマンスク:
おー!お宝探しにしゅっぱーつ♪
キーロフ:
お宝ね…結局この印刷ミスだから残されてる紙束以外に大した収穫はなかったよ
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
どれどれ…計画……ふむ、「計画艦」?
いや、「計画艦」で合っているだろうな。印刷ミスで結局なにも見れないじゃないか
「計画艦」……
確か「リュウコツ」を編纂して建造された子がその名前で呼ばれていたな
キーロフ:
…ロイヤルや鉄血からの情報でもこの言葉を見たような気がする。例のビスマルクに代わって表に出てきたフリードリヒってやつもそれのはずだ
かの「再現」以降、ビスマルクの補佐役を名乗って鉄血を率いる艦船――「フリードリヒ・デア・グローセ」、か。
キーロフ:
しかし「リュウコツ」か…中々いい線だな。艦船…リュウコツ…計画艦……
同志指揮官、突然だが考えてみてほしい
艦船の建造には「カンレキ」、我々が「この艦」足らしめる情報――つまり「リュウコツ」が必要だと考えられていた
これによって艦船が生み出され、そして艦船の情報に基づいて「量産艦」が生み出されてきた
その「カンレキ」というのは、たとえ計画であっても「存在」の証明になり得た
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
……そうだな。ソユーズとロシア、そして私も「カンレキ」が計画のみだったな
そういう意味ではフリードリヒたちもそうだが、しかし我々が計画艦だと呼称されることはない
確かに、言われてみれば「計画艦」という存在自体が非常に希少な気がする
キーロフ:
とすると、だ。同じく我々の「リュウコツ」を作り出したメンタルキューブこそが、我々を「計画艦」かどうかを決める存在なのではないか?
艦船の情報が何かしらの形式で予めメンタルキューブに既に入っており、それを取り出すことが「建造」ということになる
そしてその情報が不足している、もしくは補強が必要だから、「リュウコツ」の編纂も必要になるのが「計画艦」だ――同志指揮官はどう思う?
……少し混乱した。つまり艦船たちが予め「メンタルキューブ」の中に元々「素体」のようなものとして存在していて、そして「建造」を経由して実体化する
そして「計画艦」はちょっと特殊な「リュウコツ」を持つもの――ん?「素体」……?
キーロフ:
結論を出すのは早いぞ、同志指揮官。私はあのビスマルクのような専門家じゃないし、あくまで集めてきた情報で推測したにすぎない
私たち「艦船」は、一体どんな存在か?
…………………………………………
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
脱出路に上層部の暗躍の証拠、セイレーンの正体に加えて私たちの正体――探すべきものが随分と増えたな、同志指揮官
なに、別に自分探しの旅というのも悪くない。今まで調べてきた感じ、ここだけですべてを解決できる気はしないさ
なにせこれだけ探してこの紙束だけだからな。すでに撤収された施設にそこまで価値のある情報なんか普通置いていないよ
もっとも、この紙束だけでも私たちにとっては至宝そのものだからな。ははは
どうやらさっきの指揮室より広い広間に入ったようだ。
高さ数十メートルもあるホールに百個以上の席が左右に並べられており、そしてホールの最奥には議長席が設置されている。
演説台の後には巨大なモニターがいくつかあり、いずれも真っ黒のままである。
タリン:
指揮室と資料室の次にはホールかしら
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
ここが施設の中心か。さっきの指揮室の照明は点いたのに、ここは特に何も反応がないな
タリン:
殆どの人員を撤収させたから、ホールの照明も必要なくなったんじゃない?
ムルマンスク:
ソユーズが今、こんな素敵なホールで会合に参加しているのですよね~
私もいつか参加してみたいです~
キーロフ:
いずれ機会があるさ。なんならソユーズが戻ったらすぐにでも祝宴を開いてやってもいいぞ?
ムルマンスク:
いいですね!グレミャーシュチもそう思いませんか?
グレミャーシュチ:
いいと思うよ。うん、そんなとこ
でもこういう場所で演説したら結構緊張するよね…皆に見られるからって意味で
そこは指揮官が一番わかってるはず。うん
ムルマンスク:
そうですよね~でもみんな仲間ですし、気にしなくていいんじゃないですか…?
確かにここにいる北方連合の仲間たちよりは自分の方がこういう環境に立つ機会は多い気がする。
タリン:
苦労しそうね。…指揮官としては当然だけど
素っ気ない言葉を投げられながらも、タリンから優しい(?)視線を向けられた。
タリン:
共感はできないけど、指揮官がもしステージに立つことがあれば、注目と拍手だけはしてやるわ
実際、ほかの陣営との折衝などの仕事ではピリピリする状況もあるから、時々こういう味方が欲しくなるな…
ムルマンスク:
私も指揮官がステージに立っているのを観察してみたいですね~
キーロフ:
……タリンが言ってるのはそういう意味ではない。多分
これ以上変な話題に巻き込まれないよう、ホールの席を調査してみる。
ムルマンスク:
指揮官はあんなに頑張っていますのに、あまり知られていないのですね~
一応軍人さんですから難しいのはわかりますけど、もっとこう北方連合みたいに……
ムルマンスクの言葉を聞き流し、後ろの列から見渡していく。
確か以前出席した本部の会議のときに、ここと同じような席を見た気がする。確かこのボタンを押せば――
(今ボタンを押した音が…?)
…………………
オースタ:
……またジャミングか。どうした、この地下指揮本部のジャミング対策は完璧じゃなかったのか?
「零」、センサーの出力を上げろ。周りに敵は接近しているか?
異常なしか。…わかった。いい子だ
どうやら装置に誤作動があったようだ。
选择项1:復旧ボタンを押す
オースタ:
治ったか。ふぅ…ただの故障だったようだな
全く、昨日点検したばかりだというのに、いきなりトラブルになるとかありえないだろ…!
选择项1:周りがざわついている
ふぅ…そうだな、故障の件はあとにしよう。太陽活動が活発になっていることとも関係があるかもしれん
すまない、ただの誤作動だったようだ。只今トラブルの解消を確認した
このホールはジャミング・盗聴・ABCの対策は完全であり、周辺海域にもアンチエックス部隊が配置されている
では会議を続けよう。ここにいるのはメンタルキューブとの感応現象が観測され、同時にメンタルキューブ関連研究の第一人者
「META化」現象への解決法を提示してくれる「■――――
グレミャーシュチ:
指揮官、こっちに!資料は全部回収したから早く撤退して!
选择项1:何が起きた……?
………指揮官が勇敢なのか馬鹿なのか分からなくなってきた
コホン。ついさっき建物の外に急に防衛機構らしきヤツらが集まってきた
ベラルーシアたちは迎撃に出て、指揮官とグレミャーシュチはここで発見した資料を回収しているとこ
………覚えてる?
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
脱出路が見つかっていない状態でまた包囲されるとは!これは間違いなくピンチだな!
キーロフ:
どうする?ここにずっと留まっていてはやられるだけよ
それともここに入ってきたところとは反対側の方向へ進んでみるか?
选择项1:資料を回収したら逃げよう
ムルマンスク:
早く脱出したほうがいいのでは…?
キーロフ:
早まるな。逃げるにしても逃げ道を作っておかないと
こんな狭い空間で乱戦になったら指揮官を守り切れる自信はない。せめて量産艦を呼び出せる安全区域を作り出すまでは敵の数を減らないと
グレミャーシュチ:
うん。そんなとこね
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
私が出る!グレミャーシュチ、同志指揮官と資料を回収してから、こっちから脱出するぞ!
グレミャーシュチ:
思い出した?
「ついさっきまで自分はホールで資料を集めていた」という記憶は確かにあった。
グレミャーシュチ:
ベラルーシアの合図があったよ。指揮官、はやく――
选择项1:……グレミャーシュチ?
資料を抱えながらホールから出ようとしたグレミャーシュチも、外から伝わってくる砲火の明かりも、まるで最初からそこになかったかのように消えた。
それと同時に、ホールの奥にあるモニターが光り出し――そこに映し出されたのは、異型の敵と戦う北方連合の艦船たちの姿だった。
少女たちを襲ってくる黒鉄の巨獣は、スクリーン越しではその姿がぼやけておりはっきりとは見えない。
当の北方連合の艦船たちの姿もよく見えないが、馴染みがない輪郭からベラルーシアとキーロフたちではないことだけが分かった。
ベラルーシアたちは大丈夫か……!?
选择项1:ベラルーシアに連絡する
通信機:
…‥……………………
応答なし。
この状況は、一体……
「秘密領域」にある謎の施設のホールに閉じ込められてしばらく経った頃……
記録機構:
演算システムのエラーを探知。セキュリティモードが作動しました。解除まで1147秒
静謐な空間に一つのシルエットが投影された
选择项1:……セイレーン…!!
記録機構:
否定します。本機はこの施設の管理及び情報の記録・シミュレーション・再生を担当する管理端末です
……モニターに映っている艦隊は…?
記録機構:
「戦線」所属のKAN-SENたちです
――「戦線」……?
記録機構:
その記録は本機にはありません
――あの子たちが戦っている相手は……
記録機構:
敵です
――セイレーン……?
記録機構:
否定します。モニターに映っているものは、記録からの演算・シミュレート結果を映像化したものに過ぎません
――なら「セイレーン」は一体どういう存在なのか?
記録機構:
その記録は本機にはありません
――「アンチエックス」とは?
記録機構:
その記録は本機にはありません
――この艦隊を指揮しているのは誰?
記録機構:
その記録は本機にはありません
――彼女たちはどうなったか?
記録機構:
その記録は本機にはありません
――………なにかを守るために戦っていたのか?
記録機構:
はい
――つまり、今自分たちが置かれている状況と似ている…?
記録機構:
あなたが指揮している艦隊は、記録の中の艦隊規模よりずっと小規模です
あなたが戦っている敵は、記録の中の敵規模よりずっと小規模です
――この施設…いや、この「島」から脱出する方法は?
記録機構:
ありません
………………
記録機構:
最後の光がかき消されるまで、頑張って戦ってください
――――!
グロームキィ:
この敵、強いよ!
ムルマンスク:
なんというか、妙にモヤが掛かっているような…
タリン:
セイレーンに見えて、セイレーンではない何かを感じさせるような何か…!
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
ならば同じだ!セイレーンもこいつらも私たちはよく分かってないじゃないか!
キーロフ:
こっちも同感だ!まとめて片付けて隅々まで調べさせてもらうぞ!
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
そういうところがキーロフらしいな!ははは!
キーロフ:
我々の革命(レヴォリューツィア)が終わるまで、私は倒れるわけにはいかないのだ!
攻撃が効かない相手でもなければ当たらない相手でもない!ならば倒すまで!
皆、撃ち続けろ!同志指揮官とグレミャーシュチが脱出するまで戦線を守るぞ!
ムルマンスク:
指揮官、グレミャーシュチ!
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
いいところで情報の回収が終わったな!帰るのが楽しみだ!
ムルマンスク、タリン!後退するぞ!
ムルマンスク:
はい!そろそろ帰りませんと怒られちゃいますね…!
指揮官、こっち!
―――!!
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
中々撒けないな…このままではまずいぞ
キーロフ:
グレミャーシュチとグロームキィは休ませている。…こっちの弾薬もそろそろ底を尽きるな
タリン:
私とムルマンスクもそこそこダメージを受けているけどなんとか動けるわ。指揮官の指揮のおかげね
量産艦は潜水指揮艦を除いて全滅、と…まあもともと数が少なかったし、このポンコツたちは私たちのように動き回れないわね
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
仕方ないさ。まさかこんなところまで来るとは思ってもみなかったし、量産艦をたくさん連れてきたほうが問題だ
タリン:
結局予想外の連続で事前準備が役に立たなかったわね。こうなるとわかっていたら、せめてチャパエフたちからもう少し戦力を回してもらっていたわ
キーロフ:
セイレーンのほうが一枚上手だ。それは認めざるを得ない
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
とはいえ、同志指揮官をここまでの窮地に追い込ませたのは間違いなく北方連合の失態だな。私たちはともかく、同志指揮官はここで倒れるべきではない
キーロフ、タリン、グレミャーシュチ、同志指揮官と潜水艦を入り口のところまで連れて行け。ほかの艦は私と共に敵をここで食い止める
タリン:
悪いけどベラルーシア、まだ反対側の氷山を調べていないのに誰かが欠けるだなんてご免だわ
キーロフ:
私も全員で反対側を調べたほうがいいと思う。同志指揮官の意見は?
选择项1:どっちの意見も反対する
………同志指揮官が無駄な犠牲を好まないのは知っている。反対理由を聞かせてくれないか?
これが「再現」だというのなら、逃げ道はどこにも用意されていないはず。
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
「再現」だと…?同志指揮官、その情報は確かか?
――嘘だと思いたいのだが、現実は残酷だ。それに資料の中にあるここの地図も確認したが、脱出できるルートはどこにも書いていなかった。
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
そうか。諦めないつもりだったが、鏡面海域の制御装置を探し出せる戦力はもう残っていないか
同志指揮官、本当にすまない
选择项1:心の準備は出来ていると伝える
选择项2:もう一度だけ考える
――この施設…いや、この「島」から脱出する方法は?
記録機構:
「ありません」
………………
記録機構:
「最後の光がかき消されるまで、頑張って戦ってください」
!!「光の都市」が、少しずつ暗くなっていく…!
グロームキィ:
ほ、本当だ!でもこの光が全部消えるまで戦わないといけないの?
施設から脱出する時間を計算すると、あと数時間セイレーンの追撃をかわしながら戦わねばならないようだ
ムルマンスク:
全部消えるまで、私たちが持ちこたえられるかどうか…
キーロフ:
弱気なことを言うな。絶望的な状況だが、希望の糸はたしかに見えている――あとは私たちがそれを掴めるかどうかだ
タリン:
撤退ではなく時間稼ぎなら戦い易くなるわ。指揮官、引き続き皆の指揮を頼むわ
グレミャーシュチ:
この鉄球だけになっても守ってやるからね。うん、そんなとこ
……………………
选择项1:「共に戦えて光栄だ」
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
私たちもだ。同志指揮官
さあ、この偽りの光がかき消えるまで全力で戦って――逃げ回れ!
…………………………
ここは…メンタルキューブを嵌めた台座がある入り口…?
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
…………zZZZZZ
キーロフ:
………………zZZZ
タリン:
………………zZZZ
同行する北方連合の艦船たちが自分の周りで眠りについているようだ。
艤装に大きな損傷も見当たらない。微かに聞こえる寝息も仲間たちの生還を示してくれている。
たしか、数時間前に艦船たちとここから「光の都市」に入って――
「扉」のあった氷山の方向を眺めると、光の都市に通じる道はもはや存在せず、まるで鏡のようだった平たい表面はヒビだらけになっている。
謎の施設での探索、管理端末、セイレーン相手の「再現」……目覚めたばかりのためか、記憶が少し曖昧だ。
――「最後の光がかき消されるまで、頑張って戦ってください」
あの戦いの最後、一体何が起こったか……
施設から回収できた資料が入ってる小箱が手元にある。そしてなにより、仲間たちが無事でいてくれている。
今はそれ以外のことを考えないでおこう
小箱を開け「曙光」と書いてある書類を手に取り、平穏の「海」で仲間たちの目覚めを待つことにした――
「秘密領域」上方の海
グロームキィ:
戻ってきたー!新鮮な空気だー!
グレミャーシュチ:
うぅ…まだ頭がぼーっとしてるわね…皆もそんなとこ…?
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
同志指揮官と同じく、記憶に曖昧なところがあるぞ。「光の都市」で謎の施設に入って、そこから資料を回収し敵と交戦状態に入ったところまでは覚えているけど
最後に戦っていた敵はなんだったのか、そして私たちがどうやって入り口に戻ってきたのかは何一つ思い出せないな
タリン:
さっき確認したけど、「私たちがは光の都市に入ってから戻ってくるまで」の記録は何もなかったわ
それだけじゃなく、艤装のほうもまるで戦闘自体が起きなかったかのように直ってるわね
キーロフ:
しかし同志指揮官とグレミャーシュチはたしかに資料を回収した。…ふむ、これは興味深いな
ムルマンスク:
キーロフは頑張ってね~それじゃあ皆で港まで戻りましょ~
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
おいおい、キーロフだけをここに置いていくなよ。……待って、前方に艦影だ
水平線から現れた艤装をまとった少女たち――ロイヤルとユニオンの混成艦隊がこちらに向かってやってきた。
タリン:
アズールレーンの共同演習?そんな予定聞いてないけど
キーロフ:
予定を切り上げるとかやるな女王陛下、完璧なタイミングじゃないか
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
ここまで早いとは事前に知らせてきたルートじゃないと見た
タリン:
よっぽど急いでいたようね。気持ちは理解できるけど
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
タリン?
タリン:
指揮官のことだもの。いつまでも北方連合に「勾留」されたままにするわけにはいかないわ
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
「秘密領域」の場所がバレたとは思えない。となると同志指揮官がいそうな場所を調べ上げてきたな
そしてこの決断の速さ…相当本気だな、ユニオンとロイヤルの子たち
キーロフ:
鉄血や重桜も絡んでいるとすれば、たとえ我らが北方連合であれ流石に本気の四大陣営を前に指揮官の居場所を隠し通せないよ
サラトガ:
北方連合の皆さん!そして指揮官!久しぶりだよ!
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
ロイヤルとユニオンの方々こそ遠路はるばるお疲れさん。私の知ってる限り、我々北方連合は現在救援要請を出してはいないはずだが?
サラトガ:
んー指揮官と早く会いたいからちょっと予定を早めたんだ~それにここは北方連合所属の海域ではないでしょ?サラトガちゃんたちが通っちゃダメ?
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
そんなことはない!私たちも同志指揮官を港まで送り届けているところだ。そちらも一緒に来てくれるか?
サラトガ:
港に行ってもいいけど、まずは指揮官をサラトガちゃんたちの量産艦に移してくれない?
ワシントン:
普通の量産艦ではなくそんな妙な潜水艦に乗っているなんて、どう見ても怪しさ満点じゃねぇか。指揮官の乗艦ならこちらが用意するよ
キーロフ:
まあ、そう慌てるな
同志指揮官が滞在してたのは確かにソユーズの要請があったからだけど、同志指揮官自身の意志もある
本人の意志を無視して一方的に「拉致」するのはあまり紳士的とは言えないぞ
ホーネット:
滞在を長引かせたのはそもそも北方連合でしょうに…
キーロフ:
ロイヤルもそれでいいのか?
シェフィールド:
それについてはご心配なく。すでに女王陛下から御主人様について「下僕はしばらくユニオンに行くといいわよ」との指示を仰せつかってますので
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
じゃああとは指揮官の意志、か。
(どう答えればいいか……)
选择项1:ユニオンに行く
选择项2:北方連合に留まる
(…と言いたいところだが、お互い素直に引くとは思えないな)
ソビエツキー・ソユーズ:
この場は預からせていただきます
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
ソユーズ!?今は会合に行ってるはずでは…
ソビエツキー・ソユーズ:
会合で指揮官への支援要請の件を話しました
サラトガ:
陛下たちが?むむ…
ソビエツキー・ソユーズ:
……北方連合を含む主要陣営は、指揮官のユニオンへの支援を要請します
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
つまり同志指揮官にユニオンに行ってほしいってことか
ソビエツキー・ソユーズ:
ベラルーシア、情報はあとで詳しく説明します
指揮官、長らく北方連合へとご助力いただき感謝いたします。また一緒に戦えるのを楽しみにしています
タリン:
しょうがないわね。怪我しないように気をつけなさい
キーロフ:
作戦だけでなく、旅行でも歓迎するさ
ーー共に戦えてよかった。
北方連合の仲間たちと別れるのは名残り惜しいのだが、今はユニオンへの支援が優先だ。
サラトガ:
指揮官、みんなと一緒に港へと帰りましょう!
オースタ:
研究が進んでいるようだな。アンジュ博士
アンジュ:
そうね。ようやく例の「覚醒」の手がかりを見つけたわ
オースタ:
またその話か。繰り返し言っているが、君の言っている「感情」は我々人類のものであり、その模倣である人形たちには存在しない
それとも、この「覚醒」という現象を実証出来たとでもいうのかな?
アンジュ:
まだね。…でももうすぐよ。もう少し時間をくれたら…!
オースタ:
………君のその話はもう何度目だ
アンジュ:
今度こそ本当よ!…げほげほ
ええ、メンタルキューブの適正がある人間…その存在を実証できれば――
北方連合・某所
ソビエツキー・ソユーズ:
「秘密領域」での一件で、指揮官の特殊性は認識できたと思います
「メンタルキューブの適性」は艦船のみならず、メンタルキューブそのもの、そしてメンタルキューブの技術を応用した機械にも作用する…
指揮官が操作したメンタルキューブは既に回収し、今分析を行っています
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
…同志指揮官って本当に資料で書いてあるようにできるのか?
ソビエツキー・ソユーズ:
それはわかりません。回収した資料にその答えはどこにもありませんでした
ですが、指揮官ならその可能性がある、もしくはそうなれる――と判断していいでしょう
ロシア、ベラルーシア、あなた達にだけ伝えます
あなたたちも知っての通り、このまま北方連合とセイレーンの戦いが永遠に続けば、私たちに未来はありません
艦船と指揮官の好意による支援があるとしても、このままではセイレーンの適応能力の前に、北方連合の艦隊はなすすべもなく倒されるでしょう
私たちはあらゆるものを利用してきました。アズールレーンの支援、レッドアクシズの技術、セイレーン、余燼、全てを使ってまでです
「指揮官」が「秘密領域」で「鍵」を手に入れてくださったのは、私たちのことを承知の上です
あとは私たちが「鍵」を使って、未来を掴み取りましょう
ソビエツカヤ・ロシア:
同志指揮官を騙さず済んで良かったな。…本当はもう少し滞在してくれればこうも急ぐ必要はなかったが
ソビエツキー・ソユーズ:
ユニオンもロイヤルも、指揮官の価値を分かっていないはずがないでしょう
指揮官のおかげで私たちは皆未来を見出しましたから
ソビエツカヤ・ベラルーシア:
…………ああ。せっかく同志指揮官が体を張って手に入れてくれたからな
ソビエツキー・ソユーズ:
北方連合と人類の未来のために、艦船の充実が必要です
そのためには指揮官の協力が不可欠であり、「鍵」の最大限の活用が必要です
ロシア、ベラルーシア、覚えていてください。北方連合の未来はこのプリズムのように輝かしくあるべきです
指揮官が与えてくれた光を、決して無駄にはしないように――
オブザーバー・零:
結論を
アビータ・EmpressⅢ:
「指揮官」という存在の独特性を確認
「指揮官」という存在の、同時間軸における3回の消失現象を確認
「指揮官」という存在の、同時間軸における3回の再出現現象を確認
オブザーバー・零:
……時間軸の跳躍ではなく、「枝切り」…
アビータ・EmpressⅢ:
興味深いね。ふふふ
オブザーバー・零:
はい
アビータ・EmpressⅢ:
「オブザーバー」の「再現」実験の撹乱に成功
アビータによる撹乱の特定は不可能。…この時間軸の「オブザーバー」も私がやったとは知らないでしょう
オブザーバー・零:
引き続き観察して。実験への干渉は中止、隠蔽行動は継続。「コードG」はほかのアビータが対処する
この時間軸における自然演算システムに観測できない情報が大量発生。慎重に
…………………………
「指揮官」は一体、「いつ」に行ったのか――